2022年3月11日 【東大・京大・横市大】植物の表現型計測を実現 高速フェノタイピングローバーを開発

東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構の郭威特任准教授らは、京都大学、スイスチューリッヒ大学、横浜市立大学との共同研究プロジェクトにより、効率的な植物の表現型計測を実現する高速フェノタイピングローバーを開発した。

フェノタイピングとは、生物の表現型(生育状態、形、色、大きさ、重さなどの形質)を測定することで、伝統的には人の手や感覚での測定によって行われている。また、「高速フェノタイピング」はハイスループットフェノタイピングとも呼ばれ、IT技術を活用して効率的にフェノタイピングを行う手法を指す。

植物の生育状態を測定するフェノタイピングは、手作業では非効率なため、IT技術を活用した効率化が求められている。しかしながら広く用いられているドローンなどの技術だけでは適さない場面も少なくないため、例えば狭い土地など他の技術の導入が困難な場所でも効率的なフェノタイピングを行える装置が必要。

今回、研究グループは、場所や条件を選ばずに導入できる効率的な測定法として地上走行型のローバーに着目した。市販のパーツを用いて組み立てたローバーを開発し、試験運用を行った。

その結果、車体に搭載したカメラの写真から、植物の生育状態を効率的に定量化することができた。

さらに、このローバーの設計をオープンソース・ハードウェアとして公開し、だれもが自由にアクセスし、用途に合わせて応用できるようにしている。


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