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2017年12月4日 間近となった「次の時代」、教育投資の拡充を

天皇陛下の譲位を決める皇室会議が12月1日開かれ、現在の天皇陛下は平成31年4月30日に譲位、翌5月1日に皇太子陛下が即位され、改元が行われることが決まった。5日の閣議で会議の結果が報告され、8日の閣議で譲位日を定める政令を決定する。天皇の譲位は119代・光格天皇以来、約200年ぶりとなる。

注目されるのは、平成に次ぐ新たな時代の元号名。テレビなどでもいろいろ報道されているが、漢字2文字であるとともに、明治のM、大のT、昭和のS、平成のHを頭文字とする文字は外されるという。なるほど…。今後有識者による議論等を経て、カレンダー作成など、社会の混乱を避けるため、元号が変わる最低半年前には公表されるという。

現在の元号である「平成」。30年前に初めて見たときは、「昭和」に比べていささかの軽さを感じたのを覚えている。その時は、「昭和」は、意味の分からないところからくる仰々しさを感じるが、平成は「〝平安を成す〟。なんか軽いなあ」なんて思ったことを記憶している。

しかし、それは失考であった。元号はしょせん漢字に過ぎず、大事なのは、その時代に生きる人々の暮らし。昭和は、太平洋戦争勃発と終戦、戦後の荒廃からの復興、第一回東京オリンピック開催などエポックメイキングな出来事が多数起こった。平成期に入ってからは、いわずもがな東北大震災の発生という悲劇の一方、2回目となる東京五輪・パラ五輪の開催決定という歓喜もあり、約30年と昭和の半分であるものの、内容の濃い時代であった。

また、大量生産・大量消費の昭和型経済から、消費の多様化といった平成期のビジネススタイルへと大きく変わった。さらに、再来年春からの次世代では、AI(人工頭脳)やモノとインターネットがつながるIoT(インターネット・オブ・シンクス)といった新たな生産・経済形態が登場することが予想されている。

こうした時代を生き残るためにも、自ら課題を見つけ、一つの答えだけでない問いに対する回答を打ち出せる人材の育成が求められている。そのためにも教育に対して、より多くの公的投資を行うことが不可欠となっている。年末の予算編成過程に向けて、財務省は教育投資増加に対して厳しい眼を向けているが、MでもTでもSでもHでもない頭文字を持つ新たな時代にわが国が発展するためにも、教育投資をぜひとも増やしてほしいものだ。


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