厚生労働省は新年度の障害福祉サービス報酬改定で、就労継続支援B型の基本報酬の多寡を決める平均工賃月額の算定方法を見直した。
より公正な評価を実現する観点から、事業所の1日あたりの平均利用者数を用いる新たな計算式を導入した。
今月5日に公表した報酬改定のQ&A(Vol.2)では、1日あたりの平均利用者数をどう算定するかという質問に回答。工賃の支払いが生じる生産活動を目的としていない日は開所日に含めない、との原則を示した。
就労継続支援B型の基本報酬には、利用者の平均工賃月額が高いほど1日の単位数が高くなる仕組みが設けられており、多くの事業所がこれを採用している。
重要な指標となる平均工賃月額は昨年度まで、前年度の工賃総額を支払い対象者の総数で割って算定する、という決まりだった。このため、障害特性で利用日数が少なくならざるを得ない利用者を多く受け入れる事業所などで、平均工賃月額が低くなってしまう問題が指摘されていた。
厚労省はこれを踏まえ、新年度から1日あたりの平均利用者数を代わりに用いる方針を決めた。新たな計算式は以下の通りだ。
厚労省はQ&A(Vol.2)で、「前年度の開所日数には、レクリエーションや行事などで開所した日も含めるのか」との質問を紹介。次のような解釈を示した。
報酬改定のQ&A(Vol.2)問24
開所日数については、原則として、工賃の支払いが生じる生産活動の実施日を含め、レクリエーションや行事など生産活動を目的としていない日は含めない。ただし、地域のバザーなどの行事で利用者の生産品などを販売した場合は、開所日として含めて差し支えない。
厚労省はこのほか、平均利用者数や平均工賃月額の小数点以下の取り扱いも明示。「平均利用者数は小数点第1位までを算定し、第2位を四捨五入する」「平均工賃月額は円未満を四捨五入する」と定めた。
※ 上記解釈もQ&A(Vol.2)問2