2023年1月13日 【東北大】屋根上太陽光発電と電気自動車用蓄電池の併用でCO2排出76%減を発展途上国インドネシアで実証 持続可能社会を目指す世界のひな型に

公平で持続可能な国際社会を構築するには、発展途上国の発展を促しながら急速な脱炭素化を実現する社会的、技術的な道筋を明らかにすることが重要。このためには、急速に価格が安くなっている屋根上太陽光発電(PV)システムを都市で活用することが大きなカギとなる。東北大学大学院環境科学研究科の小端拓郎准教授らの研究グループは、屋根上PVと電気自動車(EV)を活用して経済性の高い脱炭素化を実現する「ソーラーEVシティー」構想を提案し、研究を進めている。これまで日本の都市を分析してきたが、発展途上国の都市における屋根上PVとEVの効果が明らかではなかった。

この研究では、インドネシアの研究者らと協力し、インドネシアの首都ジャカルタで屋根上PVとEVを蓄電池として活用することによる脱炭素化の効果を分析した。その結果、ジャカルタで、屋根上PVの活用は、PVのコストの下落に伴い2030年には8-15%程度のエネルギー経費の削減に繋がることがわかった。

さらに、EVを蓄電池として活用することで、電力と自動車の運転に伴うCO2排出の76%から77%のCO2排出削減に繋がると同時に、エネルギーコストの33-34%の削減に繋がることがわかった。

また、低緯度地域にあるジャカルタは、太陽の正中高度が年間を通じて大きいため、屋根の角度や方位によってPVの発電量があまり変わらず(図1)、地理的な条件がPV施設の経済性にプラスに貢献することが明らかとなった。

この研究成果は、オランダの学術出版大手エルゼビアの専門誌「Applied Energy」に、オンライン掲載された。


株式会社官庁通信社
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町2-13-14
--総務部--TEL 03-3251-5751 FAX 03-3251-5753
--編集部--TEL 03-3251-5755 FAX 03-3251-5754

Copyright 株式会社官庁通信社 All Rights Reserved.