2022年6月30日 厚労省、更年期症状で初の意識調査 40・50代の8割強、症状あっても受診せず

厚生労働省は17日、近年関心の高い「更年期症状(※)・障害」に関する初の意識調査の結果を公表した。それによると症状を自覚した40代・50代のうち、「医療機関を受診していない」と答えた人の割合は男女とも約8~9割を占めることが分かった。

調査では、更年期症状が1つでもあると答えた人に、症状を自覚し始めてから医療機関に行くまでの期間を質問した。その結果、「およそ3ヵ月までに受診した」と答えた女性の割合は、40代が9.1%、50代が11.6%。男性は40代が9.2%、50代が6.1%だった。これに対し「受診していない」人の割合は、女性の40代が81.7%、50代が78.9%で、男性の40代が86.6%、50代が86.5%に上り、「症状を自覚しても多くの男女が受診しない」という実態が浮き彫りとなった。

 

■更年期障害の50代女性は1割、疑いは4割

また、更年期症状が日常生活に支障をきたす「更年期障害」だと医療機関で診断された女性は、40代が3.6%、50代が9.1%で、どちらも1割に満たない。一方、症状や周囲からの指摘などで「自分が更年期障害ではないか」と疑っている女性は、40代が28.3%、50代が38.3%に上っている。

このほか更年期の前までに欲しい情報では、1番多い「特にない」を除いた場合、「主な更年期症状の内容や程度」「主な更年期症状への対処法」と回答した人が全年代で多かった。両方の選択肢を年代別にみると、いずれも男女ともに40代・50代で高い傾向を示している。

調査は今年3月、インターネットを通じて全国の20歳から64歳の男女を対象に実施した。女性2975人、男性2025人の計5000人から有効な回答を得ている。更年期症状の実態やリテラシーなどを把握することが目的。今後は今回の結果を踏まえて、年度内により精緻な研究事業を行う予定だ。具体的には、詳細な実態の把握や発症しやすい年齢、医療機関を受診しない理由など調べて、課題の解決や支援策の検討に繋げていきたい考えだという。

※ 45歳~55歳頃の更年期に現れる、動悸や疲れやすさといった身体症状のほか、気分の落ち込みやイライラなどの精神症状のこと。今回は回答者の主観に基づく調査のため、他の疾患に起因する可能性もある。

 


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