2022年3月25日 【岡山大】文明動態学研究所に文化遺産マネジメント部門を設置

人文社会科学を核とし、岡山大学や国内外諸機関の地質学、生物学、化学、物理学、神経科学、情報科学等の研究者との緊密な連携によって人類文明の来し方・行く末を探求する文理横断型研究拠点として昨年4月1日に設置された岡山大学文明動態学研究所が、2022年度から新体制となる。

これまで大学構内の遺跡の発掘調査・研究や出土した埋蔵文化財の整理・保管に携わってきた岡山大学埋蔵文化財調査研究センターが研究所に加わり、『文化遺産マネジメント部門』を新設。岡山地域の歴史を明らかにするうえで重要な文理融合的調査研究を推進するとともに、研究成果の地域への還元や地域社会との連携を促進する。

新体制発足に伴い、埋蔵文化財調査研究センターは廃止されるが、これまでセンターが行ってきた全学的な発掘調査・研究業務を研究所が引き継ぎ、文理融合的・国際的研究の重要な資源と位置づけて文明動態学研究推進の基盤を強化する。

また、文明動態学研究所では分野横断的研究を促進し、研究成果を広く公表するため、オンライン・ジャーナル『文明動態学』を刊行した。

オンライン・ジャーナル『文明動態学』は、文明動態学に関する論文、研究ノート、書評などを掲載。さまざまな要因が複雑に絡み合って展開する文明動態を、時代、地域、分野を結ぶ新たな研究視点で明らかにすることによって、〝人々はどこを目指して進めばよいのか〟を考えるのが、この研究所の究極的な目的。その目的を達成するため、多くの分野の研究者が参加し、活発な議論の場となるよう、誰でも投稿できるオープン・アクセスの電子ジャーナルとした。

文明動態学の明確な定義はないが、こうした問題意識に根差した人類の歴史、文化、社会に関わる研究を集めることで、枠組みが醸成することが期待される。研究分野によって異なる論文の作法というハードルをできるだけ下げて、多様な研究分野が参加できるよう、投稿規定はシンプルに、投稿言語は日本語でも英語でも可とした。

同大では、研究成果を広く公開する場として、また分野を超えた学術交流、新しい知が生まれる場として発展させていきたいとしている。『文明動態学』は、岡山大学図書館のリポジトリで公開している。


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