2022年3月15日 【中部大】エキスパートの知識を組み込んだ「AIから学ぶ」教育用アプリを開発 医学生や新入社員など多方面での教育に期待

□研究成果のポイント■

○AIが獲得した判断根拠から人が学ぶことができる仕組みを実現

○エキスパートの知識を組み込んだAIから学ぶことで、効果的な人の学習が可能

○さまざまな教育用途に展開可能

 

中部大学工学部ロボット理工学科の藤吉弘亘教授、AI数理データサイエンスセンターの平川翼講師、工学部情報工学科の山下隆義教授らは、医師や熟練技術者などエキスパートの専門知識で性能を高めた教育用の人工知能(AI)から、その判断根拠を学習する教育アプリを開発した。例えば医療画像の疾患判定では、AIがどこを見て疾患と判断したのか分かる技術はこれまでに開発されている。

今回、開発した教育アプリでは、学習者がどこに注目して判断するかを指定し、教育アプリのAIが推論したスコアである判定結果を確認。このスコアが高くなるように判断領域を追加修正してインタラクティブに繰り返すことで学習する。

さらに、エキスパートの知識を組み込んだAIから学ぶことで、AIに埋め込まれたエキスパートの判断根拠を学習者が効果的に学習することが可能となる。

今回開発したアプリは、極端に計算処理能力の高いパソコンは不要で、学習者が使用する一般的なパソコンにインストールすることで簡単に活用できる。また、実験では、開発したアプリケーションを眼底画像からの疾患判定に適用したが、これに限らず、あらゆる医療分野で医学部生や研修医が患者の画像から疾患を見つけることへの教育に適用が可能。さらに、新人の技術者が欠陥部品を見分ける、農業従事者が作物の育成状況や病害を判断するなど、その他の産業領域での教育への展開も期待される。


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