京都大学環境安全保健機構附属健康科学センターの降籏隆二准教授らの研究グループは、米国ピッツバーグ大学で開発された睡眠の健康を多角的に測定するための睡眠質問票である「RU-SATED」の日本語版(RU-SATED-J)を作成し、信頼性と妥当性を検証した。
RU-SATED-Jは、英語版をもとに、厳格な翻訳手順によって作成。質問紙は六つの質問で構成しており、三つの選択肢から一つの回答を選択し、それぞれのスコアの合計得点(範囲0-12)を算出する。
次に、RU-SATED-Jの信頼性と妥当性を検証するために、日本人(平均年齢 42.8±11.6歳)を対象としてアンケート調査を実施。合計得点は平均8.21±2.72で、最小0点から最大12点までの範囲だった。尺度の全体的な内部信頼性を示すCronbachのα係数はα=0.758だった。探索的因子分析の結果、2因子構造となった。
確認的因子分析を行い、高次因子モデルの適合度を調べると、RMSEA<0.001、CFI=1.00などとなり、因子の妥当性が確認された。これらの結果により RU-SATED-Jの信頼性と妥当性が確認されたという。
RU-SATED-Jは、多角的に睡眠の健康を測定する新しい尺度として有用であることが判明。今後は臨床研究や多くの人を対象とした調査での幅広い利用が求められる。
この研究成果は、2月28日に国際学術誌「Sleep Medicine」にオンライン掲載された。