2021年8月16日 【静岡大】〝まぶしい〟ときの脳活動を脳波計測で特定、快適で安全な運転環境創出へ一歩

静岡大学情報学部の宮崎真研究室は、スズキ㈱の恩田和征・赤池早紀氏のグループ、上武大学の竹内成生准教授との共同研究により、強い光を受けて〝まぶしい〟と感じているときの脳活動の過程を脳は計測により明らかにした。

対向車のハイビームにより、〝まぶしい〟と感じるときがしばしばあるが、このような強い光刺激によって生じる視覚体験を『グレア』と呼ぶ。グレアは視認能力の低下や不快感をともない、交通事故の原因ともなる。

グレア対策のため、その工学的評価法が提案されてきたが、従来方法では光刺激の物理的要因のみが用いられ、グレアという主観体験を生み出す脳の神経活動は全く考慮されていなかったのが現状。

宮崎研究室等が行った脳波計測の結果、グレアに関連する神経応答が右後頭側頭部(光刺激呈示開始の約100㍉秒後)、左後頭側頭部(同130‐300㍉秒後)、前頭前部(同180‐190㍉秒後)で観測された。

この結果は、生理学的根拠をもってグレアの評価を行うための基盤治験となることが期待される。物理的要因だけでは測れない個人差も含めたグレアの対策が可能となり、個人個人のもつ多様な特性に合わせた、より快適で安全な運転環境の創出につながることが期待される。


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