2021年4月12日 無資格の介護職への研修義務化 免除されるのはどんな人?[厚労省通知]

今回の介護報酬改定では各サービスの運営基準が見直され、全ての無資格の介護職員に「認知症介護基礎研修」の受講が義務付けられることになった。経過措置は3年間。厚生労働省は年度末に出した通知で、この義務化の対象とならない職員の範囲について具体的に説明している。

対象外となるのは、認知症ケアに関する基礎的な知識・技術を既に習得している職員。以下の資格を持つ人だ。各サービスの運営基準の解釈通知に明記されている。

 

義務化の対象外となる職種

看護師、准看護師、介護福祉士、介護支援専門員、実務者研修修了者、介護職員初任者研修修了者、生活援助従事者研修修了者、介護職員基礎研修課程修了者、訪問介護員養成研修1級課程・2級課程修了者、社会福祉士、医師、歯科医師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、精神保健福祉士、管理栄養士、栄養士、あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師

厚労省はこのほか、介護報酬改定のQ&AのVol.3で以下の解釈を明らかにしている。

○ 養成施設で認知症に関する科目を受講したが介護福祉士の資格を持っていない人は、事業所や自治体が卒業証明書、履修科目証明書で科目の受講を確認できることを条件に対象外とする。

○ 福祉系高校の卒業生は、卒業証明書で単に卒業が証明できれば対象外として差し支えない。

○ 認知症介護実践者研修、認知症介護実践リーダー研修、認知症介護指導者研修などを修了した人は、対象外として差し支えない。

○ 認知症サポーター養成講座の修了者は対象外とならない。

○ 人員配置基準上、職員の員数として算定される職員以外の人、直接介護に携わる可能性のない人は、義務付けの対象外とする。

○ EPA介護福祉士、在留資格「介護」などの有資格者を除き、外国人も義務付けの対象となる。

認知症介護基礎研修はeラーニング対応で6時間。認知症の人の理解や対応の基本、ケアの留意点などを学ぶ入門的な内容となっている。

無資格の介護職員への義務付けは、サービスの質の底上げや本人の尊厳の保障につなげることが狙い。今年度から2023年度までは努力義務(経過措置)で、2024年度からは完全義務化へ移行する。各サービスの事業者は今後、全ての無資格の介護職員に研修を受けさせる責務を負う。

 


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