2020年12月7日 運動不足や健康二次被害予防で 啓発リーフレットやガイドラインを公表

新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、外出を控える人々が増加した結果、運動不足やストレスから、心身に悪影響をきたす健康二次被害が懸念されている。

運動・スポーツは心身の健康増進に大きな役割を果たす。運動・スポーツを実施することの効用として、身体面においては生活習慣病等の疾病にかかるリスクの軽減や病状の改善、筋力など体力の維持・向上などが知られており、精神・心理面においてもメンタルヘルスの改善やストレス解消等が挙げられる。

しかしながら、いまだに一定数の感染者が確認される中で、運動・スポーツの実施に不安を持つ地域住民も多数いるものと思われる。

こうした事態を背景として文部科学省は、健康二次被害の拡大を防ぐためにも、安全・安心に運動・スポーツを実施してもらうために、①子どもを持つ家族、高齢者、テレワークで座位時間が増えた人々といったターゲット別に、運動・スポーツの実施啓発リーフレットを作成した。また、②特に健康二次被害が懸念される高齢者向けには、スポーツを通じて健康二次被害を防ぐためのガイドラインを作成した。

 

運動のメリットを示す

ターゲット別運動・スポーツ実施啓発リーフレットでは、ターゲット別に、運動することのメリットや、実際にどのように運動・スポーツを実施すればよいかを示している。

子どもを持つ家族向けのリーフレットでは、子どもの心身の健康状態を把握するためのチェックリストや、適度な運動・スポーツが子どもにもたらすメリット、運動不足を解消するために綾子で取り組んでもらいたい運動・スポーツを紹介している。

高齢者向けのリーフレットでは、日常生活での変化に気づくためのチェックリストや、運動・スポーツによって得られるメリット、高齢者に実際に取り組んでもらいたい行動や運動・スポーツを紹介している。

テレワークで座位時間が増えた人々向けのリーフレットでは、座りすぎによる弊害や心身への悪影響、適度な運動・スポーツがもたらす効果、日常生活の中で意識して実行してもらいたいことなどを紹介している。

リーフレットは、日本医師会などの専門家の協力を得て作成したもの。文科省では、地域住民らがリーフレットを活用し、今後、感染症対策を行ったうえで、積極的に運動・スポーツを行うよう、自治体ホームページ・住民向け広報誌への掲載や、社会体育施設や福祉関係施設などでの張り出しなど積極的な周知・広報を要請している。

 

高齢者の健康二次被害を懸念

スポーツを通じた高齢者向け健康二次被害予防ガイドラインは、特に、健康二次被害が懸念される高齢者向けに作成したもの。外出自粛が健康状態に及ぼす悪影響や、健康二次被害を防止するために取り組んでもらいたいことを示している。

外出自粛が健康に及ぼす悪影響については、筋肉量や歩行速度、認知機能の低下といった健康二次被害が指摘されていることを記載しているほか、健康二次被害を防止するために取り組んでもらいことについて、高齢者自身、そして、高齢者の家族や地域で見守りをする人々を対象に、それぞれ具体的に記載している。

スポーツ庁では、今回のガイドラインは、現段階で得られている知見を踏まえ、取りまとめているもの。今後の知見の集積及び各地域の感染状況などによって、逐次見直しが行われることがあると留意を要請している。


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