2019年3月25日 「2019年消費者動向調査」を公表 食の指向「健康志向」が続伸、過去最高を更新

日本公庫農林水産事業が実施した「2019年1月消費者動向調査」の結果によると、現在の食の指向は「健康志向」、「経済性志向」が上昇傾向にあり、特に「健康志向」は過去最高となった。また、国産食品と輸入食品に対する価格のイメージは、国産食品については「高い」、輸入食品については「安い」といった従来のイメージが変化しており、国産食品と輸入食品の価格に対するイメージの差は縮小傾向にあることが伺える結果となった。

 

健康志向と経済性志向が上昇傾向、国産志向等は低下傾向

消費者の現在の食の指向については、「健康志向」が46.6%と続伸しており、過去最高であった2014年1月調査の結果を上回った。また、「経済性志向」も36.9%と3半期連続の上昇となっており、31.2%となった「簡便化志向」とあわせ、3大志向は全て上昇している。

一方、「安全志向」は18.5%、「手作り志向」は16.5%、「国産志向」は15.6%、「美食志向」は13.8%となっており、いずれも低下している。特に、「手作り志向」と「国産志向」は3半期以上連続で低下している。

 

国産食品であるかを「気にかける」割合が低下

「食料品を購入するときに国産品かどうかを気にかけるか」を聞く設問については、「気にかける」と回答した割合が72.3%、「気にかけない」との回答割合が24.9%となった。前回調査に続き国産であることを「気にかける」割合は低下傾向にあり、「気にかけない」割合が上昇傾向にある。

また、「外食するときに国産品かどうかを気にかけるか」についての設問では、「気にかける」と回答した割合が32.5%、「気にかけない」との回答割合が60.3%となった。外食時に国産であることを「気にかけない」割合は、直近3年では緩やかな上昇傾向で推移してきたが、今回調査では2013年1月調査以来、6年ぶりに6割を超える高い水準となっている。

 

国産食品「高い」、輸入食品「安い」 価格イメージに変化

国産食品と輸入食品に対するイメージについて聞く設問では、国産食品については「価格が高い」との回答割合が64.6%と2008年の調査開始以降で最も低い値となり、国産食品の価格に対するイメージは改善傾向にある。一方で、「安全である」、「おいしい」、「色・形がよい」といった国産食品のプラスイメージは、前回調査に続き低下傾向にある。

輸入食品のイメージについては、「価格が安い」との回答割合が57.4%と調査開始以来で最も低い値となっており、輸入食品の価格に対するイメージは悪化傾向にある。しかし、輸入食品の最たるマイナスイメージである「安全面に問題がある」との回答割合は37.0%となっており、7半期連続で低下、調査開始以降で最も低い値となり、輸入食品の安全面に対するイメージの改善が続いている。

国産食品の「高い」、「安全」、「おいしい」、「見た目が良い」、輸入食品の「安い」、「安全性が低い」といった従来のイメージはいずれも低下傾向にあり、国産食品と輸入食品のイメージの差は縮小傾向にあることが伺える。


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