2019年3月22日 順天堂医院に「料金後払いシステム」 患者の待ち時間削減に向け窓口会計が不要に

順天堂大学医学部附属順天堂医院(天野篤院長)は、会計の待ち時間を解消する新たな取り組みとして、グローリー(株)(尾上広和代表取締役社長)の医療業界向け「料金後払いシステム」と、富士通(株)(田中達也代表取締役社長)の医事会計システム「FUJITSU へルスケアソリューション HOPE Ⅹ‐W(ホープ エックス‐ダブリュ)」を連携させた『料金後払いシステム』の運用を、この4月1日より開始する。システムのオペレーションが始まることにより、患者は診察後に支払窓口で会計をすることなく、帰宅が可能となる。

グローリーの『料金後払いシステム』が、大学病院で導入されるのは国内初で、富士通の医事会計システム「HOPE X‐W」と連携させることで、これまで人が処理していた会計の一部作業を自動化し、業務の大幅な効率化を実現する。

 

1日5000人の外来診療

順天堂医院は、高度医療を担う特定機能病院として、37の診療科と1032床の病床を有し、1日約5000人の外来患者の診療を行っている。

順天堂医院は、これまでもグローリー製の診療費支払機を導入し、会計窓口の混雑や待ち時間の緩和・解消に取り組んできたが、外来患者の増加に伴い、さらなる改善が必要となっていた。そこで、順天堂医院は、後払いを希望する患者が事前にQRコードを読み込み、申請画面へ必要情報を登録することで、支払窓口での会計処理が不要となる「料金後払いシステム」を導入した。

『料金後払いシステム』の導入は、患者、病院双方にメリットがある。事前登録した患者は、診察後に支払窓口で会計をせずにそのまま帰宅できる。

『料金後払いシステム』の利用料は無料。事前に自身のパソコンやスマートフォンで、順天堂医院で配付されるQRコードから後払い申請画面にアクセスし、診察券番号やクレジットカード情報、メールアドレスなどを登録する簡単な申請手続きで、即日から利用可能。3月18日から登録を受け付けている。

クレジットカードによる料金後払いのため、現金の持ち合わせがなくても受診が可能となる。

現金払いに抵抗のある外国人患者が『料金後払いシステム』を利用しやすいように、英語、中国語、韓国語にも対応する。

順天堂医院のメリットも多い。富士通の医事会計システム「HOPE X‐W」と連携することで、これまで人が処理していた入金確認や入金消込などの管理作業を自動化し、会計事務業務の大幅な効率化を実現。従来は会計窓口で発行していた領収書と診療明細書を、無人端末で発行できる。

 

患者外来の3割目指す

今後の展開としては、順天堂医院では、来年3月までに『料金後払いシステム』の利用者数を外来患者の約30%(約1500人)に高めることを目指しており、混雑や待ち時間が緩和・解消された快適な院内環境の提供や会計事務業務の効率化を強力に推進することとしている。

また、外国人医師による診療を可能とする特区認定を受けている順天堂医院は、2020年に向けた訪日外国人患者の増加を見据え、各種案内の多言語化や礼拝室の設置など、院内の国際化整備を進めている。外国人患者のさらなる利便性向上のため、今後、『料金後払いシステム』の対応言語の拡充も検討する方針だ。


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