2018年8月3日 オンライン心理訓練プログラム 東大研究室が〝折れない心〟育成へ開発

一億総活躍社会の実現に向けて、働き方改革、さらにメンタルヘルスの問題解決は重要な国家的課題となっている。東京大学大学院教育学研究科・臨床心理学コース下山研究室は、エンジニア派遣を主業務とする㈱リツアンSTC(本社:静岡県掛川市)と共同して、社員の〝折れない心〟を育成するオンライン心理トレーニングプログラム「ココロ・ストレッチ」の実装を開始した。

このプログラムでは、専用のICTポータルサイトを活用することによって、社員のメンタルヘルスを〝管理〟するのではなく、社員一人ひとりの心理状態に即した、きめ細やかな心理支援と心理トレーニングを提供。働く人自身が主体的に自己のメンタルヘルスに取り組む能力を育成する。

利用者は、生活の場でいつでもどこからでもプログラムにアクセスできる。このシームレスなプログラムにより、働く人のための「働き方改革」を真に実現し、職場の活性化も可能となる。このスキームを発展させることにより、低く見積もっても年間2.7兆円と言われるメンタルヘルス不調によるわが国の経済的損失の大幅削減に貢献することを目指す。

 

メンタルヘルス不調の損失、少なくとも年間2.7兆円

下山研究室ではこれまで、企業におけるメンタルヘルス問題の解決に向け、最先端の認知行動療法をICTポータルサイトで提供し、〝折れない心〟を育てるオンライン研修プログラム「ココロ・ストレッチ」を開発してきた。メンタルヘルス不調に陥った人だけを対象とするのではなく、働く中で生じてくるストレスに柔軟に対応できる心のレジリエンス(精神的回復力)を高め、メンタルヘルス不調を予防し、行動活性化を促す心理トレーニングとなっている。

(株)リツアンSTCでは、「新しい働き方を立案し、いきいきと働く人を増やす会社」を経営理念に、フリーランス、時間短縮、リモートワーク等、正社員雇用やフルタイム就業以外の働き方が多様化しているなか、エンジニア派遣を一つの手段に日本の雇用問題の解決や、より時代にマッチした新しい働き方の立案に取り組んできた。

 

心の健康支援システムを構築

同プロジェクトでは、下山研究室が有するICTを用いた心の健康支援手法と新しい働き方を立案する(株)リツアンSTCが有するノウハウを有機的に融合させ、働く人の立場に立った心の健康支援に基づくメンタルヘルス・イノベーションの方法を提供する。同プロジェクトの研究成果に基づいた企業での研修活用とシステム導入の拡大により、真に働く人のための「働き方改革」を実現し、メンタルヘルス不調による経済的損失を大幅に削減することを目指す。

プロジェクトにおける働く人のための新しい心の健康の支援手法として、下山研究室ではこれまで、AI等の最新ICT技術を活用した心理支援サービスを開発し、実証研究を重ねてきた。今回(株)リツアンSTCで「ココロ・ストレッチ」を活用することで、働く人の立場に立った心の健康支援の新しい方法の産学連携研究と会社の風土に即した心の健康の支援システム構築の定式化を行う。

同プロジェクトは研究倫理を遵守し、十分に配慮した上で実施されている。プロジェクトを行うことは、東京大ライフサイエンス研究倫理支援室倫理審査専門委員会による倫理審査でも承認されている。


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