2021年10月15日 【KDDI】ネット依存1.5倍に コロナ以前とコロナ禍を比較

KDDI㈱、㈱KDDI総合研究所、㈱国際電気通信基礎技術研究所(ATR)は、コロナ前の2019年12月とコロナ禍にある2020年8月に、全国の20歳から69歳の男女51,043名を対象にオンラインで実施した調査の結果から、新型コロナウイルス感染症のパンデミックがスマホ依存、ゲーム障害、ネット依存に及ぼす影響を明らかにした。コロナ禍でコロナ前よりスマートフォンの利用時間が増加したことや、ゲーム障害、ネット依存傾向の割合はコロナ前と比較し1.5倍以上増加したことなどがわかった。この結果の一部は、精神医学や人間の行動に関する多くの重要な研究成果が採録されているJournal of Psychiatric Research誌に採録された。

スマホ利用時間は増加したが、依存傾向がある人は減少

スマートフォンやゲーム、インターネットの誤った利用は依存症のような状態に陥るリスクがあり、スマホ依存、ゲーム障害、ネット依存などの呼称で知られている。

新型コロナウイルス感染症の影響がある現在、外出自粛や観光施設の閉鎖など、家で過ごすことを強いられる状況では、これらの問題は学力低下や体調不良、家族関係でのトラブル経験の増加といった事態に陥る可能性が考えられている。

そこでKDDIなどではコロナ前、コロナ禍のスマホ依存、ゲーム障害、ネット依存のデータを比較し、スマートフォン・ゲーム・インターネットにおける依存状態がどのような推移・傾向を示すのかを調査した。

調査の結果、コロナ前と比較して、コロナ禍では平日、休日のスマートフォンの利用時間が増加した一方で、スマホ依存傾向を示す人の数はわずかに減少した。なかでも、スマホ依存傾向を判定する指標のうち、「スマホ使用のため、予定していた仕事や勉強ができない」という項目の平均値が減少した。一方で、「スマホを手にしていないとイライラしたり、怒りっぽくなる」という項目の平均値は増加した。

「スマホ使用のため、予定していた仕事や勉強ができない」と言う回答が減少したのは、新型コロナウイルス感染症による外出自粛、テレワークの普及など各種オンライン化によってスマートフォンの利用機会が増え、スマートフォンが仕事や勉強を邪魔する存在から、生活のための重要な存在に変わり、スマートフォンに対する問題意識が低下したことが要因である可能性があると考えられるという。

しかし、「スマホを手にしていないとイライラしたり、怒りっぽくなる」と回答した人が増えていることから、スマホが使えない状況になった場合、コロナ前に比べストレスを感じやすくなった可能性がある。

コロナ感染者の「ゲーム障害リスク」は5.6倍

コロナ禍ではゲーム障害とネット依存傾向がある人を示す割合が1.5倍以上に増加しています。また、ゲーム障害の中核的な症状である「耐性」「離脱症状」も増加している。これらの症状を持つ人は、ゲームプレイの長さに問題を感じてもゲームをやめにくく、治療にも時間がかかるとされている。また、ゲーム障害に関しては症状の傾向から、一過性の問題ではなく、コロナ禍収束後も持続した問題となる可能性も示唆された。

さらに、新型コロナウイルスの感染者は非感染者に比べ、ゲーム障害になるリスクが5.67倍であることを確認した。


株式会社官庁通信社
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町2-13-14
--総務部--TEL 03-3251-5751 FAX 03-3251-5753
--編集部--TEL 03-3251-5755 FAX 03-3251-5754

Copyright 株式会社官庁通信社 All Rights Reserved.