2022年3月16日 【JST】査読前論文サーバー「Jxiv(ジェイカイブ)」の運用開始 日本初の本格的なプレプリントサーバー

□ポイント■

○自然科学だけでなく、人社科学や学際融合領域全ての研究分野の査読前論文を投稿・公開可能

○投稿・公開は無料

○研究コミュニティ活性化に期待

 

科学技術振興機構(JST)は、研究成果の迅速な公開とオープンサイエンス推進のため、未発表のプレプリント(査読前論文)をオープンアクセスで公開するプレプリントサーバー「Jxiv(ジェイカイブ)」の運用を3月24日㈭に開始する。

研究成果の発表形態の1つである論文は、主に査読付き学術誌(ジャーナル)から出版・公開されるが、ジャーナルの出版プロセスでは査読やリバイスに時間が必要なため、投稿から公開までに、長いと数年もかかることがある。

このことから、研究成果の早急な共有が研究コミュニティーに求められたCOVID-19(新型コロナ)を一つのきっかけとして、ここ数年、論文をジャーナルへ投稿する前、あるいは投稿と同時にプレプリントを公開することが急増している。しかし、日本には本格的なプレプリントサーバーが存在しないこともあり、日本からのプレプリントの公開はまだ少ないのが現状。

そこで、JSTは、日本で初めての本格的なプレプリントサーバーとして『Jxiv』を構築した。Jxivでは、自然科学の分野だけでなく、人文学・社会科学あるいは学際融合領域すべての研究分野に関連するプレプリントを、日本語または英語で投稿・公開することができる。

Jxivの利用に費用はかからず、プレプリントの閲覧と投稿・公開は無料で行える。投稿されたプレプリントには、国際的識別子と再利用しやすいようライセンス条件が付与され、オープンアクセスのコンテンツとして公開される。

Jxivは国内外からの投稿を受け付けるが、投稿できるのはJSTが運営する研究者情報データベースである「researchmap」などのIDを所持する研究者に限定される。

専門家の査読を経ていないことに留意しなくてはならないが、プレプリントは、JSTによるスクリーニング後、数日以内に速やかに公開される。公開されたプレプリントはジャーナルで査読を経て受理されるまでは改版が可能で、さらにジャーナルから査読付き論文として出版・公開された後も、プレプリントはJxiv上でオープンアクセスにて公開され続けます。併せてジャーナル公開版へのリンクの掲載もできる。

Jxivからプレプリントを公開することによって、ジャーナルに投稿された論文が査読を経て出版されるのに先立ち、研究成果を公表することができる。これにより、研究コミュニティーからのフィードバックのサイクルが早まり、プレプリントを公開した研究者自身の研究が加速するだけでなく、研究コミュニティー全体の活性化も期待できる。


株式会社官庁通信社
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町2-13-14
--総務部--TEL 03-3251-5751 FAX 03-3251-5753
--編集部--TEL 03-3251-5755 FAX 03-3251-5754

Copyright 株式会社官庁通信社 All Rights Reserved.