2022年5月23日 【神戸大】ICTを活用した家庭との連携ツール「おうちえん」で保護者との双方向的な関係づくりや理解の深化を確認

□ポイント■

〇ICTドキュメンテーションツールの機能強化へ共同研究

〇附属幼稚園に導入、家庭との連携図るツール

〇「簡単で取り組みやすい」との声

 

神戸大学大学院人間発達環境学研究科の北野幸子教授らの研究グループと神戸大附属幼稚園は、㈱スマートエデュケーション(本社:東京都品川区)と連携して、ICTを活用したドキュメンテーションツール「おうちえん」の機能強化に関わる共同研究に2020年9月から取り組んでいる。

神戸大附属幼稚園での実証実験の結果、「おうちえん」を活用することで、園と保護者との双方向的な関係づくりの手段が増えることや、園生活での子どもの姿を保護者が深く理解できることが確認した。

園における子どもの育ちや学びを可視化する必要性が増すなか、子どもたちの日常を写真とコメントで記録し、保護者に伝える「ドキュメンテーション」に注目が集まっている。さらに、このコロナ禍では従来の保育の見直しを迫られることも多く、園には保育の実態や意義をより丁寧に保護者に伝えることが求められている。その一方で、保育者の業務負担軽減も重要な課題となっている。

この研究では、ICTを活用した株式会社スマートエデュケーションのドキュメンテーションツール「おうちえん」を神戸大附属幼稚園に導入して、動画を取り入れたドキュメンテーションの作成、保護者からのコメント機能の活用などに取り組み、非認知能力(社会情動的スキル)の記録とそれに対する保護者の理解を深めるツールとしての効果を評価するとともに、家庭との連携を図るツールとしての機能強化について検証した。

検証の結果、①「おうちえん」を利用したドキュメンテーションの作成は、簡単で取り組みやすい、②動画を発信することにより躍動的に子どもの育ちや学びの姿が伝えられる場合がある、③保護者の閲覧状況が一定程度把握できる(紙媒体では困難な場合が多い)といった意見が聞かれた。

また、④保護者からのコメント欄を設置することにより、園と保護者の双方向的な関係がつくりやすくなる、⑤クラスや学年を超えた閲覧があり、保護者の子ども理解の深化につながる可能性がある、⑥園における家庭理解の深化が図られる―などの声も聞かれた。

さらに、今後の機能強化については、⑴印刷する上での紙面の制限に関する改善、⑵レイアウトの自由度を増す等の改善、⑶読みやすさの改善‐といった方向性も示された。


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