2021年4月22日 【研究成果】隕石中に閉じ込められたCO2に富む液体の水 立命館大教授らが世界初発見

立命館大学総合科学技術研究機構の土`山明教授らの研究グループは、炭素質コンドライトと呼ばれる隕石(サッターズミル隕石)の鉱物の中に、エックス線ナノCTと低温下での透過型電子顕微鏡を用いた分析により、鉱物中に閉じ込められた二酸化炭素(CO2)に富む液体の液体の水(CO2に富む流体包有物)を世界で初めて発見した。この流体包有物は太陽系形成時のCO2を含む氷に由来すると考えられる。この研究成果は4月22日午前4時(日本時間)に米国科学振興協会「サイエンス・アドセンスズ」に掲載された。

このような氷は太陽からかなり離れた低温領域(CO2が氷として存在できるCO2スノーラインの外側)で形成されたもので、この隕石をもたらした小天体(母天体)自身もこのような低温領域で形成されたと考えられる。

この領域は木星の形成領域よりも外側に位置することから、太陽系形成当時にこの隕石が木星の外側ででき、その後の木星の軌道変化に伴なって現在の小惑星帯(木星軌道の内側にある)に移動したという、最近のダイナミックな太陽系形成モデル(理論)の物質科学的な証拠(エビデンス)であるといえる。

炭素質コンドライトは、初代はやぶさが採取したサンプルとは異なる。一方、はやぶさ2サンプルは炭素質コンドライトあるいはその類似物と考えらえており、研究グループでは、「これから始まるはやぶさ2サンプルの分析でも、同様に液体の水が見いだせるかもしれない」としている。


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