2023年6月20日 ASEAN10の拡大続く 第52回海外事業活動基本調査 経産省

経済産業省が取りまとめた第52回海外事業活動基本調査によると、現地法人・従業員数ともマレーシア、タイ、インドネシア、ベトナムなどASEAN10の国々が連続して増加している。海外生産比率だけでなく、研究開発費や設備投資額も拡大している。

経産省は、毎年、日本企業の海外事業活動の現状と海外事業活動が現地及び日本に与える影響を把握することを目的に、日本企業の海外現地法人の海外事業活動に関する調査を実施し公表している。

現地法人数のうちASEAN10が占める割合が引き続き拡大している。2021年度末における現地法人数は2万5325社(製造業が1万902社、非製造業が1万4423社)となった。地域別にみると、現地法人数はアジア、欧州などが減少となった。アジアでは、ASEAN10(マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、シンガポール、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジア)の割合が11年連続で拡大し、中国の割合は縮小している。

現地法人従業者数は増加となった。2021年度末における現地法人の従業者数は569万人、前年度比+1.2%となった。業種別にみると、非製造業(150万人、前年度比+4.6%)が増加し、製造業(420万人)は横ばいだった。地域別にみると、北米、欧州が増加し、アジアが減少。アジアでは、中国、その他アジアが減少し、ASEAN10が増加した。

現地法人の売上高、経常利益、当期純利益はいずれも増加した。2021年度の現地法人の売上高は303.2兆円、前年度比+25.9%となった。業種別にみると、卸売業、輸送機械などで増加した。地域別にみると、アジア、北米、欧州がいずれも増加した。また、現地法人の経常利益は17.1兆円(前年度比+72.9%)、当期純利益は14.2兆円(同+104.6%)となった。

製造業現地法人の海外生産比率は上昇した。2021年度の現地法人(製造業)の海外生産比率(国内全法人ベース)は25.8%(前年度比+2.2%ポイント)となった。業種別にみると、輸送機械は47.0%(前年度比+2.6%ポイント)、はん用機械は34.4%(前年度比+4.9%ポイント)などが上昇した。

製造業現地法人の研究開発費、設備投資額はともに増加した。2021年度の現地法人(製造業)の研究開発費は9075億円、前年度比+27.7%となった。また、現地法人(製造業)の設備投資額は3.7兆円、前年度比+14.0%となった。

この調査は、日本企業の海外事業活動の実態を明らかにすることにより、各種施策の企画、立案、実施のための基礎資料を得ることを目的としている。

調査対象は、2022年3月末現在で、海外に現地法人を有する日本企業(金融業、保険業及び不動産業を除く)を対象とした。

この調査における「現地法人」は海外子会社(日本側出資比率が10%以上の外国法人)と海外孫会社(日本側出資比率が50%超の海外子会社が50%超の出資を行っている外国法人)の総称。

調査は、本社企業に調査票を配付し、郵送又はオンライン(政府統計共同利用システム)により回答してもらった。回収率74.8%。


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