2020年6月11日 海外輸出額は約519.4億円 放送コンテンツの海外展開に関する現状分析

総務省はこのほど、日本の放送コンテンツの輸出額について、「放送コンテンツの海外展開に関する現状分析(2018年度)」の調査結果を取りまとめた。それによると、平成30年度(2018年度)の日本の放送コンテンツ海外輸出額は、約519.4億円となり、昨年度に比べて、増加幅が大きくなっている。内訳をみると、「インターネット配信権」(173.9億円)や、「番組フォーマット・リメイク権」(41.8億円)の増加が顕著であった。

放送コンテンツ海外輸出額の推移をみると、主体別では、「プロダクション等」が270.4億円と大きく伸びている。また、「NHK及び民放キー局」も227.9億円と引き続き伸びた一方で、これら以外は横ばいまたは減少となっている。

権利別の構成をみると、「番組放送権」(番組放送権の販売による番組の「完成パッケージ(完パケ)」の販売は、海外展開の伝統的な方法であり、翻訳(字幕や吹き替え)などにより販売先の国に対応(ローカライズ)させて海外で放送)が23.3%、「インターネット配信権」(海外の動画配信サイトが、放送番組を現地の国に対応(ローカライズ)させてネット配信する権利)が33.5%、「商品化権」(例:アニメなどの放送番組のキャラクターを商品化して海外で販売する権利。2016年度以降の調査ではゲーム化権を明確に含めて算出)が31.8%と多くを占めている。

また、「番組放送権」には、番組放送権とインターネット配信権がセットで販売される場合も計上されているため、輸出におけるインターネット配信は全体に占める割合が大きくなっている。

主体別の構成をみると、「放送コンテンツ海外輸出額」全体では、「NHK及び民放キー局」と「プロダクション等」で9割以上(96.0%)となった。「番組販売権」の輸出額に限った場合、放送事業者に占める割合がやや高くなっている。

放送コンテンツのジャンル別にみると、「放送コンテンツ海外輸出額」全体と「番組販売権」の輸出額に限った場合ともに、アニメが8割以上(全体で81.1%、「番組販売権」82.6%)を占め、次いで、ドラマ(同6.6%、8.7%)、バラエティ(同6.6%、5.7%)が続く構図となっている。

輸出先の地域別にみると、「アジア」が50.5%と半分を占め、次いで、「北米」が30.2%、「ヨーロッパ」が11.0%と続き、日本の放送コンテンツはアジア、北米中心に多様な地域に展開されている。「番組販売権」の輸出額に限った場合、アジアの占める割合はさらに高くなる。

2016年度分の調査から、海外との取引手法や取引相手先の多様化といった昨今の放送コンテンツを取り巻くビジネス構造の変化等を踏まえ、アンケートの送付業種等及び算入する収入の種類を拡大した調査も実施している。この拡大調査の結果、2018年度の輸出の総額は、850.3億円となった。また、2018年度分の調査から、海外と取引されている日本の放送コンテンツの制作量を把握するため、新たに放送コンテンツの海外販売作品数の調査を実施。この調査の結果、2018年度の放送コンテンツ海外販売作品数は3703本となった。


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