2021年12月3日 日EU・ICT戦略ワークショップを開催 デジタル分野に関する幅広い議題で意見交換

総務省は、欧州委員会通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局とともに、11月17日に、日EU・ICT戦略ワークショップ(第12回)をWeb会議で開催した。このワークショップは、デジタル分野における政策について日EUの官民で相互理解を深め連携・協力を推進することを目的としており、ICTをはじめとしたデジタル分野に関する幅広い議題が取り上げられ、官民で自由な意見交換が行われた。今回のワークショップの結果を受けて、今後の日EU協力に資する具体的な内容なども含めて議論していく方針だ。

今回の戦略ワークショップでは、日EU双方における政策動向や実際のビジネスの場での課題等を踏まえ、主として5G/Beyond 5G(6G)、AI、データ、プラットフォーム、サイバーセキュリティについて対話を行った。

このうち、5G/Beyond 5G(6G)については、日本側から、Beyond 5G国際カンファレンスの開催結果や日EU国際共同研究を含むBeyond 5Gの研究開発などBeyond 5G推進戦略の実施状況、民間企業の5Gのオープン化に関する取組について説明し、EU側からは5Gの高度化や6Gに向けた研究開発の状況が説明され、日EUで協力を推進していくこととされた。

AIについては、EU側から、AI規制案の状況説明があった。日本側から、GPAIやユネスコなどの国際的議論への参画状況や、これまでのAI利活用ガイドライン等の策定を通じた貢献、AIガバナンスガイドライン、AI原則の実装に関する産業界の状況を紹介し、技術変革に柔軟に対応するにはソフトローが有効との考えを説明した。日EU双方から、マルチの場での議論での日EU協力の重要性が指摘され、意見交換と議論を継続していくこととされた。

データについては、日本側から産業データ利活用での日EU協力の可能性を説明し、EU側からデータガバナンス法やデータ法、GDPRの説明があった。

プラットフォームについては、EU側から昨年12月に公表されたデジタルサービス法案及びデジタルマーケティング法案の最新状況について説明があり、これに対し日本側からはEUの各法案に対する問題点の提起がなされた。また、日本側から、モバイルエコシステムに係る競争環境整備に向けた検討状況、違法有害情報対策・利用者情報の取扱い等が説明された。

サイバーセキュリティについては、日本側から、ICTサイバーセキュリティ総合対策2021、スマートシティセキュリティガイドライン(第2.0版)や、ICTアーキテクチャの標準化に関する調査、インド太平洋地域向けに日米EUで開催しているセキュリティ演習などを説明し、EU側から、2020年12月に公表されたEUのサイバーセキュリティ戦略の実施状況、ISAC(情報共有分析センター)の連携推進状況などが説明され、日EUでさらに協力を進めていくこととなった。

ワークショップは年2回開始することとしており、次回は来年春にEU側ホストで開催する予定。


株式会社官庁通信社
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町2-13-14
--総務部--TEL 03-3251-5751 FAX 03-3251-5753
--編集部--TEL 03-3251-5755 FAX 03-3251-5754

Copyright 株式会社官庁通信社 All Rights Reserved.