2024年3月28日 信頼する先生は「半数以下」 若者調査で明らかに いじめ対応も不十分

信頼していた先生は半数以下―。日本財団が17歳から19歳のハイティーンを対象に行った意識調査で、こうした小中学校等の教諭に対する若者の生の声が明らかとなった。学校教諭に対して、あまり心を開いていない現状が浮き彫りとなった。「いじめ」や「不登校・引きこもり」への対応に関しても、6割が不十分だったと答えた。

 

義務教育で重視していたこと「特にない」は2割

調査では、小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校前期課程といった義務教育のあり方に対する考えを聞いた。義務教育で重視されていたと思うこととしては、〝読み、書き、計算の知識や能力などの基礎学力を身に着けること〟が男女とも最も多く、男性27.8%、女性33.5%で、男女全体では30.6%にのぼった。

また、2番目に多い回答としては、男性が「集団のなかで守らなければならない規律を学ぶ」、女性が「周囲の人とのコミュニケーション」がそれぞれ22.6%、28.0%。このほか、「高校や大学への進学準備をすること」「自ら学ぶ力や方法を学ぶ」なども多かった。一方で、男性の19.3%、女性の20.4%が「特にない」と答えた。

もっと学んでおきたかったと思うこととしては、男性は「周囲の人とのコミュニケーションの仕方を身に付けること」との回答が19.6%、女性は「金融リテラシー」が23.7%で最も多く、「国際社会で生きるための意識・姿勢や知識・能力を身に付けること」「社会保障制度などについての知識を身に付けること」「一人ひとりが持つ個性や特性を身に付ける」「基礎学力を身に付けること」も、1割以上の若者がもっと学んでおきたかったことにあげた。「特にない」との意見は、男性23.5%、女性31.2%、男女合計22.4%を占めた。

教員が有しているべきと思うスキルでは、男性が「児童・生徒に気づきを与える、広い視野・経験」が約2割、男性では「児童の不安や悩みに寄り添う力」が約3割で最も多い。特に、「児童の不安や悩みに寄り添う力」(男性19.8%、女性27.6%)や「児童・生徒から信頼を得る人格」(20.4%、26.5%)の項目で男女の差が出ている。

教員への信頼に関する質問では、全体の約4割が「信頼している教員は半数より少なかった」と回答。女性回答者に絞ってみると、4割以上にのぼった。

学校での対応状況としては、「いじめ」「不登校・引きこもり」への対応が〝十分〟と答えたのは、全体の約2割にとどまった。「発達障害・特別支援教育」は、〝十分〟が約3割とやや高い。性別では女性がどの項目も〝十分〟との回答が低い傾向がみられた。

 

髪型指定は多数が「見直すべき」

近年、理不尽校則や指導内容を意味する『ブラック校則』の見直しを行うべきという声が高まっている。調査で校則への考えを聞いたところ、「お菓子等、昼食以外の食べ物の持ち込みを禁止する」以外の校則で、〝見直すべき〟〝どちらかというと見直すべき〟の合計が7割以上となった。特に最も見直すべきとの声が多い校則は「特定の髪型を指定、または禁止する」。見直すべき61.4%、どちらかというと見直すべき18.8%という結果となった。

性別にみると、〝見直すべき〟校則は男女で同じだったが、2番目は男性が「全員が、必ず、いずれかの部活に入部する」(50.0%)、女性は「頭髪の色は黒と指定する」(61.1%)と異なる。

3位以下の回答は、男性が「靴下の色・長さを指定する」「携帯電話の学校への持ち込みを禁止する」「頭髪の色は黒と指定する」、女性は「靴下の色・長さを指定する」「全員が、必ず、いずれかの部活に入部する」「性別ごとに指定された制服を必ず毎日着用する」の順だった。


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