2017年2月15日 一般財源総額62.1兆円 29年度地方財政計画を閣議決定

地方交付税法第7条の規定に基づいて作成される平成29年度地方団体の歳入歳出総額の見込額(地方財政計画)が7日に閣議決定され、同日国会に提出された。通常収支分では、一般財源総額について、社会保障の充実分の確保も含め、28年度を0.4兆円上回る62.1兆円を確保する。

また、地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金の活用など地方交付税の原資を最大限確保することで、地方交付税(交付ベース)について16.3兆円を確保。あわせて臨時財政対策債の増を+0.3兆円に抑制する。

これにより概算要求時点での地方交付税の減と臨時財政対策債の増を可能な限り抑制する。

「地方公共団体金融機構法」附則第14条に基づき、地方公共団体金融機構の公的債権金利変動準備金の一部を国に帰属させ、その全額を交付税特別借入に繰入れ、まち・ひと・しごと創生事業費を中心とした財源に活用。29年度に活用することとしていた0.1兆円に加え、31年度までの3年間で0.8兆円以内(総額0.9兆円以内)を活用することとし、29年度は0.4兆円を活用する。

公共施設等の集約化・複合化、老朽化対策等を推進し、その適正配置を図るため、現行の「公共施設等最適化事業費」(28年度0.2兆円)について、長寿命化対策等を追加するなど内容を拡充し、新たに「公共施設等適正管理推進事業費」として計上(29年度0.35兆円)する。

また、まち・ひと・しごと創生事業費については、引き続き1兆円を確保する。

さらに、緊急防災・減災事業費を拡充し、復興・創生期間である32年度まで4年間延長する(29年度0.5兆円)。

歳出特別枠については、平時モードへの切り替えを進めるため、公共施設等の適正管理や一億総活躍社会の実現に取り組むための歳出を確保(0.25兆円)した上で、同額を歳出特別枠(28年度0.45兆円)から減額(29年度0.2兆円)した。

前年度からの繰越金がない中で、概算要求時点で見込まれた臨時財政対策債の増加を可能な限り抑制。29年度に予定していた交付税特別会計繰入金の償還について、償還計画を見直し、0.1兆円を後年度に繰り延べる一方で、0.4兆円は着実に償還する(29年度~31年度0.4兆円、以後0.1兆円ずつ増額、37年度以降は1兆円を基本)。

財源不足の補塡については、29年度から31年度までの間は、国と地方の折半ルールを適用することとしている。29年度の財源不足額は6兆9710億円で、折半対象以外の財源不足額5兆6409億円は、財源対策債の発行、地方交付税の増額による補塡、交付税特別会計借入金償還繰延べを行う。折半対象財源不足額は1兆3301億円で、地方交付税の増等による補塡、臨時財政対策債の発行を行う。

社会保障・税一体改革による社会保障の充実分等と「ニッポン一億総活躍プラン」に基づく保育士や介護人材等の処遇改善に係る経費は、地方財政計画の歳出に計上し財源を確保する。

東日本大震災分では、震災復興特別交付税について、復旧・復興事業等について通常収支とは別枠で整理し、所要の事業費と財源を確実に確保している(29年度0.5兆円)。


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