2016年6月30日 レトルト食品やATMなど67件 発明協会、「戦後日本イノベ100選」第2弾公表

公益社団法人発明協会は、「戦後日本イノベーション100選」をこのほど公表した。2014年の創立110周年を記念して、2年前に公表した38例に続いて、今回、第2弾として、レトルト食品、産業用ロボット、ATM、スパコンなど67件を決定した。

発明協会では、「イノベーション」について、〝経済的な活動であって、その新たな創造によって、歴史的社会的に大きな変革をもたらし、その展開が国際的、あるいはその可能性を有する事業〟と定義。対象は発明に限らず、ビジネスモデルやプロジェクトを含み、また、発明が海外のものであっても、日本で大きく発展したものを含むとしており、選定にあたっては、創造性や社会的影響度、さらに国際性を重視した。

「100選」の選定方法としては、市民と大学やシンクタンクなどでのイノベーション研究者へのアンケートを実施。2年前の好評済みの家庭用ゲーム機・ゲームソフトや発行ダイオード、さらにトヨタ生産方式などがトップ10に名を連ねたなか、得票數トップ3は、第1位が新幹線、2位がインスタントラーメン、3位がウォークマンとなった。

さらに、アンケートに基づいて、業務団体や学会、政府関係機関などの専門家らから意見・アドバイスを受けて「100選」を選出。多くの優れたイノベーションがあったため、それぞれ優劣がつけがたいと判断があったことから、五つ多い「105選」となった。

協会では、「100選」事業を通して得たこととして、「大きなイノベーションはそれなりの時間を経て、かつ多くの人々の参加のもとになされるものであり、評価には相応の時間を要する」と分析。その上で、相応の年数を経て、社会的・国際的に大きなインパクトを与えたものについては、「イノベーションの殿堂」入りを認める事業を今後検討すべきとしている。

 

今回公表された「100選」第2弾67件のうち主なイノベーションの名称、年代、概要は次のとおり。

 □レトルト食品(1969年)

世界初の市販用レトルト食品として、発売された「ボンカレー」は、その後3層遮光性パウチの採用により賞味期限を飛躍的に伸ばすことに成功。レトルト食品産業化の道を拓く。

 

□家庭用ビデオ(カセット)(1976年)

家庭での映画鑑賞を実現し、放送時間を選ばないテレビ視聴を可能とし、ライフスタイルを一変させた。この開発を主導した日本製品は全世界に普及し、1984年にはテレビ受像機の販売額を上回るものとなった。

 

□宅急便(1976年)

公的業務中心であった従来の配送サービスを、民間企業による宅配という個人単位での集荷、配送システムによって実現させたイノベーション。

 

□カーナビゲーションシステム(1981年)

日本の自動車メーカー等によりその基本機能が開発された。さらに「デジタルマップ型」「GPS測位方式型」の出現により高度化・多機能化した。その後、それまで利用が限られていた欧州、アジアにも展開した。

 

□ATM(1982年)

キャッシュディスペンサー(CD)に加え、預金、通帳記入、送金そして入出金の還流システムまで実現したATMは、預金者の利便性、銀行業務の合理化を実現。

 

□IHクッキングヒーター(1990年)

火力が弱く、大型で、ノイズが大きいというそれまでの課題を日本の技術により克服し、高い熱効率と優れた火力コントロールを実現。世界の台所のスタイルを変えた。

 

□省エネ化(1970年―1980年代)

第一次石油危機を経て日本の製造業のIIPあたりエネルギー消費原単位は1990年には半分の水準にまで低下。競争力維持強化の背景を築いた。

 

□道の駅(1993年)

1993年に建設省によって登録されたのを嚆矢(こうし)として、2016年には1093駅にまで発展。地域振興、地場産業育成に貢献しており、大手スーパー並みの売上高を実現。


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