2017年の世相を表す「今年の漢字」として、「北」が選ばれた。
「今年の漢字」は、公益財団法人日本漢字能力検定協会が、国民に漢字の奥深い意義を再認識してもらうための活動の一環として、1995年から毎年年末に発表しているもの。「北」の字が選ばれた理由として、北朝鮮のミサイル発射、九州北部豪雨、昨夏の台風の影響による北海道産ジャガイモの不作、北海道日本ハムファイターズの大谷翔平選手の大リーグ移籍、演歌歌手の北島三郎氏所有のキタサンブラックの活躍などが挙げられている。
2017年の「今年の漢字」トップテンは、1位「北」、2位「政」、3位「不」、4位、「核」、5位「新」、6位「選」、7位「乱」、8位「変」、9位「倫」、10位「暴」となっている。ポジティブなイメージのものが少なく、ネガティブなイメージのものが多く見える。
そこで、今年1年間何が起こったのか、振り返ってみると、ポジティブなものとして、箱根駅伝の青山学院大学の3連覇から始まり、稀勢の里の第72代横綱昇進、プレミアムフライデーの開始、14歳でプロ入りした藤井聡太四段の公式戦29連勝の新記録達成、サッカー日本代表のワールドカップ出場決定、陸上100メートルで桐生祥秀選手が日本人初の9秒台、囲碁の井山裕太氏の二度目の七冠達成と将棋の羽生善治氏の永世七冠達成がある。
その一方で、ネガティブなものとしては、トルコでの銃乱射、文部科学省の再就職あっせん問題、学校法人森友学園や加計学園をめぐる問題、閣僚の失言、英国マンチェスターでの自爆テロ、年金598億円支給漏れ、北朝鮮のミサイル発射、日産自動車の無視覚検査などが挙げられる。
「今年の漢字」に「北」が選ばれたが、我々一人ひとりの中にも一年を表す「今年の漢字」があると思う。明るい1年であってもそうでなくても「今年の漢字」から1年を振り返り、来年につなげていくといいかもしれない。そうすることによって、次の一年をより良いものにしていくことができるのではないかと思う。