有料老人ホームや居宅サービスなどを展開するSOMPOケアグループは6日、シーディーアイが進めているケアプランを提案する人工知能の開発に参画すると発表した。事業を通じて蓄積してきた様々なデータを提供してAIの精度の向上に協力する。同じくSOMPOホールディングス傘下の損保ジャパン日本興亜によるシーディーアイへの出資が決まったことも併せて報告した。
シーディーアイはセントケア・ホールディングからのスピンオフで今年3月に生まれたベンチャー。利用者の心身の状態などをもとに、AIがケアプランの原案を自動で生成するシステムの普及を目指している。来年度にもサービスを始める計画。ケアマネジャーの負担軽減に加えて、自立支援の観点でより有効なケアの推進にも結びつけられると見込んでいる。
SOMPOケアグループは今回、シーディーアイとともに業界が抱えている課題の解決に貢献していくと説明。ビッグデータを読み解き最適解を導くAIの強みを活かす考えで、「自立支援につながるケアマネジメントの実現を目指す」「ひとりひとりに適した『カスタムメイドケア』 を実現していく」などと意欲をみせている。
シーディーアイは先月、新たに2億3000万円の資金調達を実施した。これで当初予定していた15億円の調達を終えたという。「開発・事業化を一層加速させる」としている。損保ジャパン日本興亜やMS&ADインシュアランスグループホールディングス、山陰合同銀行などが新たに出資に加わった。政府系ファンドの産業革新機構や日揮、ツクイ、社会福祉法人こうほうえんなどが既に出資している。また、愛知県豊橋市が共同で実証プロジェクトを行う協定を結んでいる。介護の分野でAIの活用を目指す動きへの注目がますます高まってきた。