厚労省が発表した2017年の高齢者調査で、100歳以上の高齢者は全国で6万7824人、20年間で6.7倍も増えたことが分かった。100歳以上の高齢者の調査を始めた1963年には、全国で153人だった。その後年々増え続けて、’98年に初めて1万人を突破。5年後の2003年に2万人を超え、’07年に3万人、’12年に5万人、’16年に6万人を超えている。
国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計によると、総人口が減少する中、100歳以上の高齢者は今後も増え続けて、’25年に13万3千人、’35年に25万6千人。団塊世代が100歳に到達し始める’50年には53万2千人と予測している。
海外の研究によると、今から10年前の2007年に生まれた子どもが107歳まで生きる確率が50%もあるという。また、「ゲノム(全遺伝情報)医療」の発達で間違いなく100歳超の人口はさらに増えるともいう。この先人間は何歳まで生きることが出来るかと考えさせられる。秦の始皇帝ならずとも、不老不死を願いのは人皆共通の願いである。しかし、生きとし生けるものには不死はなく、寿命が尽きる前に子孫を残し、種の存続を図り繁栄してきている。医学的な統計調査では、人の寿命は116歳から118歳と推定される。ギネスブックが世界最高齢と認定するジャマイカの女性が、15日117歳で亡くなった。これにより5カ月年下の鹿児島県喜界町の田島ナビ(117歳)さんが世界最高に認定される見通しだ。田島さんが医学上の寿命である118歳を越える長寿を祈りたい。
さて、人生100年の時代を迎えようとしている今日、長寿化は医療や介護に使う社会保障費の増加につながり、政府の財政運営に大きな影響を及ぼす。政府は今月11日、「人生100年時代構想会議」を発足させて初会合開催。高齢者向けの給付が中心となっている社会保障制度を全世代型社会保障へと改革するための問題点を審議するとしている。わが国の雇用・年金・医療・介護など高齢者を支える社会の仕組みの行く末は、どうなるのだろうかと想う「敬老の日」であった。