いまだ日中は汗ばむ日が続くが、朝晩は過ごしやすくなってきた。夏から秋へと季節が変わりつつあることを身に感じるなか、政治に大きな動きがあった。安倍晋三総理が衆議院解散を決めたという。28日召集の臨時国会の早い段階で行う方針を固めたということで、与野党いずれも一気に選挙モードに突入したという話が、先週末から敬老の日にかけて一気に報道された。
大義は何か?。先週末からの3連休、自宅でテレビを見ていたら、総理の決断に対して、この一点を問う報道が多々聞かれた。民進党をはじめとする野党サイドからは、森友学園や加計学園問題からの追及逃れるための『自己保身解散』だと批判の声があがる。小池新党の態勢が整う前に、一気に勝負に走ったとの観測もみられる。
国民の信を問う理由など幾らでもある。再来年に行うことが明らかとなっている消費税再増税やアベノミクス継続の可否、さらにミサイル・核兵器実験といった北朝鮮による蛮行が続いている現状を踏まえた今後のわが国防衛の在り方など。特に国防に関しては、与党はもちろん、外交努力を執拗に強調し、防衛力の強化をただただ否定する一部野党の方々にはきちんと考え方を示してもらいたい。間もなく核兵器をのど元に突きつけられることになる現在のこの状況は、わが国防衛のあり方を国民全体で考える好機ではないか。
武力は戦争を行うものではなく、戦争抑制のための外交を進める上での道具のひとつであることは、今や世界の共通認識だ。「Jアラートはやり過ぎ」「ミサイル防衛は相手国を刺激するだけ」と叫び、防衛力強化が彼の国の蛮行を正当化すると主張する候補者には、抽象論ではなく、武力無き外交の姿・あり方を具体的に示していただきたい。重ねていうが、武力は戦争をするものでなく、〝戦争をしない〟ものだ。若き指導者が率いるなんとか民主主義人民共和国や、覇権国家を目指す人口13億のあの国と違って、少なくともわが国ではそうなのだ。