高校生や中学生に限らず、サラリーマンも老人も中高年も、ここ数年の日本人は、寝ても覚めても24時間、通学・通勤中も風呂でもトイレでもスマホを手にしている初めての人類と言われているらしい。いや、日本人に限らず、全世界的な傾向なのだろう。
スマホ=スマートフォンの急速な普及に伴い、手軽にインターネットにつながることができるなど利用者が高い利便性が得られる一方、長時間利用による生活習慣の乱れ、青少年の犯罪被害、いじめやプライバシー上の問題など思わぬトラブルに陥るなど、深刻な問題も発生している。未来を担う青少年が、スマホがもたらすリスクと対応策を理解した上で、スマホを「賢く安全に正しく」利活用できる環境を整えることが従来にも増して重要となっている。
こうした認識の下、文部科学省をはじめ内閣府・総務省・経産省・警察庁・消費者庁・法務省といった関係省庁では、多くの青少年が初めてスマホを手にする春の卒業・進学・新入学の時期に特に重点を置き、スマホやソーシャルメディアなどの安心・安全な利用のための啓発活動の取組を2月から5月まで「春のあんしんネット・新学期一斉行動」として集中的に展開している。
取組の重点項目は、1)家庭における話し合い及び利用のルールづくりの推奨、2)スマホ購入時におけるフィルタリングの説明対応、3)地域における取組の推進、4)学校や関係事業者における普及啓発活動の展開―など。中学や高校のPTAなども巻き込んで活発な啓発活動が進められている。
学校での「総合的な学習の時間」や「HRの時間」を活用した発達段階に応じた情報モラルの指導、親子の対話の促進なども期待されるところ。さらに欲をいえば、昨今の映画などのブームに便乗してみれば、人気のアニメやアイドルスターとのコラボによる青少年らへの呼びかけ、また、好感度の高いテレビ・ラジオ番組でのさりげないアピールなども有用だろう。