「笑う門には福来る」のような諺があるように、笑うことや笑顔にはポジティブな力があるとされている。そうした効果の検証・見える化に、「笑い」の本場・関西が強力タッグで乗り出す。
近畿大学と吉本興業、オムロン、NTT西日本は15日、「笑い」が身体や心理的な健康に与える効果を共同で研究していくと発表した。年間約2.7兆円といわれる精神疾患による社会的な経済損失を解消するため、「笑い」を医学的に検証し、ストレスへの向き合い方(ストレスマネジメント)の開発を目指すという。
研究は、①「笑い」が身体や心理的健康に与える効果を検証、②「笑い」の測定方法の開発、③「笑い」介入後の疾病発症率や生活習慣の変化といった「笑い」の有効性の調査‐の3点の分析。
計画は大きく4段階で進行していく予定だ。第1段階は、今回の「健常者への笑いの提供とその効果の研究」。第2段階は、「健常者の笑いの比較」を2018年1月にスタートさせる。第3段階は、被験者を健常者から精神疾患患者にシフトし、第2段階と同様のテーマを検証。2020年の1月からは第4段階として、それを大規模に展開させていき、最終的には2021年1月に技術の実用化を目指すという。
当面は、健康な社会人の男女20人前後を対象に、2週間に1回のペースで定期的に吉本興業が主催する「吉本新喜劇」や「漫才」を鑑賞し、その前後で心理テストを行ったり、鑑賞中の表情やバイタルの変化を測定したりする。