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2016年8月29日 産学連携の活性化でイノベーションを推進

 日本再興戦略を踏まえ、文部科学省及び経済産業省が「イノベーション促進産学官対話会議」がスタートし、先日開催されたイノベーション・ジャパン2016期間中には「産学パートナーシップの拡大に向けた産学経営対話」が開催されるなど、政府や経済界の後押しなどを踏まえ、産学連携の活性化に向けた施策が大きく動き始めた。

 経団連とともにわが国経済界を代表する経済同友会は、今年7月「今こそ、産学官連携によるイノベーション創出を」と題した提言を発表。2013年提言の実現状況を踏まえ、新たに「オープンイノベーション推進のための税制優遇の拡大」「企業はオープンイノベーションを牽引する研究開発組織と独立した責任者を設置」「中堅・中小・ベンチャー企業のイノベーション拡大のため、国は橋渡しの機能強化を」「ベンチャー創出のための支援策の充実」を呼びかけた。

 大学発ベンチャーの低調傾向が改善されないことから、10年、20年先を見据えた基礎研究テーマの設定、NEDOなどによる国家プロジェクト資金の積極的な確保、経営人材の参画、人材の流動性などの重要性も指摘している。 

 2013年度提言では民間主導によるイノベーション創出に向け、企業、国、大学がそれぞれ取り組むべき23の方策を打ち出し、安倍総理が今年4月の未来投資に向けた官民対話において「企業から大学、研究開発法人への投資を今後10年で現状の3倍(3000億円程度)に増やす」方針を表明した。

 企業との産学連携を促進するための方策として、大学や外部研究機関との連携を図るオープンイノベーション型研究開発の税制優遇措置が12%から30%へと拡大されたが、まだ十分な活用には至っていない。また、企業でもオープンイノベーションに対する重要性の理解は進みつつあるものの、自前主義からの脱却がなかなか進まない。総投資回収に対するM&A割合が日本約24%、米国約81%、ベンチャーキャピタル投資総額の対GDP比率では日本0・04%、米国0・28%。わが国の伸びしろはまだまだある。

 


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