新型インフルエンザ等対策特別措置法第32条第1項の規定に基づき、令和2年4月7日、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が発令され、政府をはじめ各省庁、地方公共団体や民間企業などによる様々な取組の成果もあって、5月25日に宣言が解除された。事態の収束が見えない中で、感染拡大の抑止と社会経済活動の維持を両立させる大変難しい状況がつづいている。
新型コロナウイルス感染症対策として、現在、総務省では、公共料金の支払い猶予、地方税の申告期限の延長、テレワークの導入支援などが、国土交通省では、自動車検査証の有効期間の伸長措置、沿道飲食店等の路上利用に伴う道路占用許可基準の緩和、住宅ローン減税の適用要件の弾力化などの措置が講じられている。
また、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(令和2年4月20日閣議決定)において、「新型インフルエンザ等対策特別措置法の緊急事態宣言の下、生活の維持に必要な場合を除き、外出を自粛し、人と人との接触を最大限削減する必要がある。医療現場をはじめとして全国各地のあらゆる現場で取り組んでおられる方々への敬意と感謝の気持ちを持ち、人々が連帯して一致団結し、見えざる敵との闘いという国難を克服しなければならない」と示され、このため、感染拡大防止に留意しつつ、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家計への支援を行うことを目的とした特別定額給付金がある。
特別定額給付金の給付対象者は基準日(令和2年4月27日)時点で、住民基本台帳に記録されている者、給付代謝の属する世帯の世帯主を受給権者とし、郵送またはオンライン(マイナンバーカード所持者)があり、申請期限は、郵送方式の申請受付開始日から「3か月以内」となっている。
マイナンバー制度は行政の効率化、国民の利便性の向上、公平・公正な社会の実現のための社会基盤であり、社会保障、税、災害対策の分野で効率的に情報を管理し、複数の機関が保有する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用される。また、平成27年10月以降、マイナンバー(個人番号)が通知されている。しかし、マイナンバーカードの交付率は6月1日時点で16.8%にとどまり、マイナンバーカードの電子証明書の暗証番号の再設定、電子証明書の更新、新規発行の手続が急増しており、市区町村の窓口が大変混雑している状況にある。
便利な社会のために生まれたマイナンバーが不便を生み出す状況となっている中、よりよいものとなるよう改善が必要であるが、理解が深まるような取組も求められている。