小学校プログラミング教育が必修となる2020年度に向けて、英会話教育とともに、全国の小学校で盛り上がっている。教育委員会でも積極的に取り組み、文部科学省の調査でも先行的に「授業を実施している」自治体の割合が2018年度においては前年度と比較して、16・1%から52・0%へと大幅に増加。設備や施設の充実整備の遅れに対する懸念はあるものの、日本全国で活発な取組が展開されている。
プログラミング教育は算数や理科の授業の中で最も多く取り組まれ、総合的な学習の時間の中でも行われているという。先進的な授業研究の現場では、「コンピュータに対する見方が変わった。〝目から鱗〟とはこのことをいうのだろう」「未来が確実に開けていくような明るい将来を感じる」などの感想を話す教員が多い。
来年4月から小学校で必修となるのだが、大規模な自治体と比較して、小規模な自治体の取組が予算不足や情報不足もあって遅れ、また、担当者を配置している自治体に対し、配置していない自治体は取組が遅れている。担当者が教員経験者の自治体に比べ、教員経験者でない場合は取組が遅れているという調査結果も明らかになっており、プログラミング教育セミナーを開催するなど文部科学省の主導でテコ入れが行われている。放送大学でも、すでにプログラミング教育導入編やプログラミング指導法の教員向けオンライン講座を実施している。大学機関を結ぶ学術情報システムのSINET(サイネット)を公立小中学校に開放する検討も行われている。
高齢者がスマホを操作する光景は何の違和感もなく見受けられ、スマホを携帯する小学生も珍しいことではなくなった。役所や企業でのペーパーレス会議も常態化しつつある今、パソコンなどの動作原理を知って操作するのと、知らないで使うのとでは相当な違いを生むのではないだろうか。プログラミング教育の必修化もまた新たな日本のステップアップにつながるものと期待したい。