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2016年7月4日 内閣支持率と参院選挙、アベノミクスの帰趨は

伊勢志摩サミットにおける議長としての首相の働きぶりやオバマ大統領の広島訪問で、内閣支持率は56%に上昇した。2014年9月内閣改造後の60%以来の高水準である。7月10日の参院選投票日を前にして産経新聞社の世論調査(6月18~19日実施)によれば、内閣支持率は50%割れの49.4%に、自民党の支持率は37.7%となっている。

自民党の元参院議員青木幹雄氏が唱えた「青木の法則」では、「支持率とは内閣支持率と政党支持率の合計値」である。この法則は政権安定度指数(LSI)ともいわれ、100%を超えると政権は安泰だそうだ。

最近では、霞ヶ関や永田町界隈に出入りする外国人投資家の間でも、「青木率(アオキ・レシオ)」といって投資指標として話題にしているそうだ。わが国の株式市場を左右するといわれる外国人投資家の動向である。経験則によれば、内閣支持率が40%を下回ると外国人投資家の売りが出易くなるという。本年3月末時点における外国人の株式保有比率は29.8%と4年ぶりに低下した。アベノミクス以降の株価上昇をけん引したのが外国人投資家である以上、その関心が再び日本市場へ向かうか否かが注目される。

さて、参院選挙における獲得議席数も「非改選議席×青木率」から予想できるそうだ。産経新聞社の世論調査による自民党の支持率と内閣支持率を加算すると青木率は87.1%で、自民党の非改選議席65議席と掛け合わせると56~57議席となる。計算上では自民党単独で参院過半数122議席に届きそうだ。また、参院でも与党と改憲賛成政党の合計議席が、改憲発議に必要な3分の2に達する可能性もありそうだ。

内閣支持率の特効薬は、政策停滞リスクを吹き飛ばすことにあり、道半ばのアベノミクスの再構築をするしかない。首相は、世界経済リスクに備え新しい判断により消費増税を再延期し、アベノミクスのエンジンを最大限に噴かす決意である。その成否は、政権が標榜する「ニッポン一億総活躍社会の実現」を今後如何に具現推進するかに懸かっている。ただ、予想に反する英国の欧州連合(EU)からの離脱が、世界経済の不確実性を高めている。参院選の争点でもあるアベノミクスを支えてきた円安・株高の流れが、想定以上の円高・株安に変わる現実を危惧して止まない。


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