政府は24日、2016年版の「消費者白書」を閣議決定した。
それによると、2015年度に全国の消費生活センターに寄せられた相談の件数はおよそ92万7000件。65歳以上の高齢者からのものは、前年度より2万2000件程度少ない約24万件だった。ただし、5歳単位での内訳をみると、年齢が高い層での相談の割合が徐々に増しており、トラブルの当事者の高年齢化が進んでいることがわかる。相談の種類をみると、高齢者でもインターネットに関わる内容が増加している。
認知症の高齢者による相談は、前年度より882件少ない8826件。新聞の勧誘や屋根の工事といった「訪問販売」の割合が、39.7%と最も多くを占めていた。本人からの相談が2割に満たないことも特徴。高齢者全体では約8割にのぼっており大きく異なる。認知症の場合、被害を受けていることに本人が気付かないこともあるため、問題が埋もれてしまいやすい。
白書ではこれらを踏まえ、「トラブルや被害の拡大を防ぐには、周囲の『気付き』が不可欠」と指摘。「家族だけでなく、近隣住民や福祉事業者、行政機関などが協力し、見守りの体制を強化していくことが重要」と呼びかけている。
認知症等の高齢者に関する相談件数高齢者の消費生活相談件数
高齢者の消費生活相談件数
(2016年消費者白書より引用)