グーグルは8日、利用者の目の代わりとなって周囲の情報を音声で知らせるAndroid用アプリ、「Lookout」を開発していると発表した。世界で2億5300万人以上いるといわれる目の不自由な人たちに対し、自立をサポートするほか、共生社会の中での暮らしをアシストしていく狙いがある。
使い方は、「Lookout」をインストールした端末をストラップで首から下げたり、シャツの胸ポケットに入れたりして、カメラが外向けになるようにセット。アプリを起動することで、カメラが認識した標識やトイレといったアイテムを、どこにあるか読み上げる仕組みだ。
特徴的なのは、ユーザーの状態に応じて重要と思われる情報を精査し、利用者の邪魔にならないように最小限の通知で周囲の状況を知らせてくれる点。そのため、シーンごとに使い分けが可能な、「Home(自宅・家事)」、「Work & Play(仕事・買い物・新しい場所)」、「Scan(スキャン)」、「Experimental(テスト機能)」の4つのモードを搭載している。
例えば、「Home(自宅・家事)」選択時には「ソファーが3時の方向に」など、家で必要性の高いものが「どこ」にあるかがわかるようになっている。また、「Work & Play(仕事・買い物・新しい場所)」では、エレベーターや階段などの位置がわかったり、「Scan(スキャン)」ではレシピ本などを読み上げたりすることもできる。「Experimental(テスト機能)」は、開発中の機能を試すモードだという。
「Lookout」は、ネット環境が無くても使うことが可能。機械学習を採用しているため、多くの人が使えば使うほど、より正確にニーズをキャッチできるよう成長していくとしている。