総務省は、青少年のインターネット・リテラシーに関する実態調査を実施し、その結果を「平成29年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等」として20日に公表した。それによると、全体の正答率は68.8%と前年度をやや上回り、不適切リスクへの対処能力の正答率が79.4%と相対的に高く、利用料金や時間の浪費に配慮した利用はできるものの、不適正取引リスクへの対処リスクの正答率は56.4%、プライバシーリスクへの対処能力の正答率は62.3%と相対的に低く、電子商取引やプライバシー保護への対処等が弱点となっている。
同省では、インターネット・リテラシー向上施策の重要性に鑑み、同施策を効果的に進めていくために、23年度に青少年のインターネット・リテラシーを可視化するテストを開発し、24年度から全国の高等学校1年生相当を対象に実施してきた。
29年度は、対象校・人数を大幅に増やした上で(約1万7200名・95校を対象に実施(28年度は約1万4800名・89校))、インターネット等の利用状況に関するアンケートと共に青少年のインターネット・リテラシーを測るテストを実施した。
正答率を男女別にみると、男子より女子の正答率が高く、特に不適正利用リスクへの対処能力で最も差が大きかった(男子68.2%、女子73.8%)。
その一方で、学校の所在地区別では、正答率に大きな差はみられなかった。
過去のテストと比較すると、総合の正答率は28年度をやや上回っている。また、過去5年間で、不適正取引リスクへの対処能力の正答率が最も低い傾向にある。
青少年の利用機器の現状をみると、青少年の96.2%がインターネット接続機器としてスマートフォンを保有している。
また、青少年の91.7%がインターネットに接続する際、最もよく利用する機器としてスマホをあげている。
青少年のインターネット利用状況について、1日当たりの平均利用時間は、スマホは2~3時間の利用が27.4%と最も多く、他の機器に比べて利用時間が長かった。
フィルタリングに対する認知と利用状況では、青少年の67.9%がフィルタリングを認知しており、そのうち52.3%がフィルタリングを利用している。
フィルタリングに対するイメージと利用状況については、青少年の72%がフィルタリングを肯定的に捉えており、このうち50.7%がフィルタリングを利用していた。
学校・家庭でのルールとフィルタリングの利用状況では、インターネットの利用について学校でのルール、家庭でのルールがある青少年の方が、ルールがない青少年に比べてフィルタリング利用率が高かった。
青少年が利用しているSNSは、主にメッセージサービスを目的とするサービスが最も多かった。
また、フィルタリングを認知し、かつSNSを利用している青少年の約4割がフィルタリングを利用している。