総務省消防庁はこのたび、2017年の救急車の出動件数(速報値)を公表した。それによると、昨年の救急出動の件数は前年比13万2132件(2.1%)増の634万2096件、搬送人数は前年比11万4697人(2.0%)増の573万5915人で、ともに8年連続で過去最多を更新している。
年齢別に搬送者をみると、高齢者が337万1054人(58.8%)で最も多く、成人の188万3785人(32.8%)、乳幼児の36万5223人(4.6%)などが続く。それぞれの人数を前年と比べると、年々増加する高齢者が4.8%の伸びを示したのに対し、他の年齢はマイナスかほぼ横ばいだった。
要因ごとに出動件数では、「急病」が368万6563人(64.3%)で最も多く、「一般負傷」の88万3150人(15.4%)、交通事故の46万6008人(8.1%)が続く。近年の推移をみると、「急病」と「一般負傷」の割合が増加する一方で、「交通事故」の割合が減少傾向にある。
傷病別に搬送者をみると、外来レベルの「軽症」が全体の48.5%、入院が必要な「中等症」は41.6%だった。長期の入院が必要な「重症」は8.4%、「死亡」は1.4%となった。近年では、「中等症」の割合が年々増加している。
都道府県ごとに前年度からの増減率をみた場合、救急出動件数では滋賀県の5.1%、静岡県の4.5%、和歌山県と鳥取県の3.6%が高く、搬送人員では滋賀県の5.0%、静岡県の4.3%、島根県の3.7%が高くなっていた。