厚生労働省は2月28日、今年の5月1日から9月30日にかけて、「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を実施すると発表した。労働災害防止団体等と連携して、事業場への周知・啓発や、熱中症予防対策に関するセミナーの実施や教育用ツールの提供などを実施。熱中症予防対策の徹底を図ることで、重篤な熱中症災害を防止することを目指す。
キャンペーン期間中は、WBGT値(暑さ指数)の把握・評価やWBGT基準値を大幅に超える場合の作業時間の短縮、労働者の健康状態の確認‐などを重点的に行うよう指導。さらに、重点期間に位置付けている7月には、WBGT値低減対策の追加実施や水分や塩分摂取の徹底、異常時の救急隊への要請‐といった点にも注力するよう促す。
厚労省は併せて、昨年の職場における熱中症による死傷災害の発生状況(速報値)も公表。それによると、昨年に職場で熱中症によって死亡したり、4日以上の休業を余儀なくされたりした事例は528人と、前年から66人増えていた。これは過去10年間で、2010年の656人、2013年の530人に次いで、3番目の人数だ。
業種別に分けると、最も多いのは建設業の139人。それに、製造業の110人、運送業の92人が続いた。
月別では、7月の256人と8月の215人が全体の約9割を占めた。昨年の死亡者である16人も、事故の発生は全てこの2ヵ月に集中していた。
時間帯では、11時台(66件)と、15時台(78件)、16時台(67件)が多かったほか、日中の作業終了後に帰宅してから体調が悪化して病院へ搬送されるケースも散見された。