日本医療労働組合連合会が9日に公表した介護施設の夜勤に関する調査の結果‐。厳しい長時間労働になりやすい2交替制をとっている施設が、全体の92.5%にのぼると報告されている。前年から2.3ポイント上昇。このうち81.1%では、1回の長さが16時間を上回る夜勤が行われていた。医労連は夜勤の人員配置基準や介護報酬を引き上げるべきだと主張。広く議論を喚起するとともに、厚生労働省や国会議員などに改善を求めていくとしている。
この調査は、昨年の6月~10月にかけて実施されたもの。特養や老健、グループホーム、小多機など165拠点、4265人からの回答を集計したという。
それによると、2交替制をとっている施設で介護職員が1ヵ月に入る夜勤の平均回数は4.3回。看護師の離職防止などに向けて定められた指針(月4回)を超える介護職員は、43.0%にのぼっていた。
医労連はこのほか、ユニットやフロアといった職場ごとに「1人夜勤」が認められている実態を問題視。特養や老健でも常態化しているところが多く、グループホームや小多機では全施設が1人体制になっていると改めて指摘した。
米沢哲中央執行委員は9日の会見で、長時間にわたる夜勤は健康リスクを高めると説明。介護職員の負担軽減に向けた施策を早急に打つべきだと強調した。1人夜勤については、「休憩が取れない。緊急時の対応も難しい」と疑問を投げかけた。各サービスの人員配置基準の再考が不可欠‐。そう訴えている。