国土交通省は、1月11日にJR東日本信越線で、雪のため列車が長期間にわたり駅間に停止した事案について、19日にJR東日本に対し、改めて再発防止の確実な実施を指導するとともに、全国の鉄軌道事業者に対しても、必要な対策を実施するよう指示した。
今年1月11日にJR東日本信越線で、大雪の影響により列車が動かなくなり、運転再開までに約15時間半を要する事案が発生。このため約430名の乗客が社内に留め置かれ、体調不良の者も出るなど、利用者に多大な迷惑を及ぼすことになった。
この事案について、JR東日本が検証した結果、運行再開を優先し乗客の救出に関する対応が不十分であったこと、消防に対する救急搬送の要請等を除き、自治体等への支援要請は行っていなかったこと、乗客に対する情報提供内容が除雪作業の進捗等にとどまったこと等の課題が明らかになった。
これを踏まえ、19日に同社に対し、改めて再発防止策の社内通知の徹底と確実な実施を指導し、その指導を1月31日までに報告することを指示。また、全国の鉄軌道事業者に対しても、必要な措置を行い、その対応状況について1ヵ月以内に報告することを指示した。
JR東日本等への指示内容は次のとおり。
【JR東日本に対する指示内容】
1.長時間にわたる駅間停車が発生すると見込まれる場合には、運行再開と乗客救出の対応を並行して行うことを徹底し、乗客救出にあたっては、救出を優先すべき乗客や自ら避難可能な乗客から順次救出することを含め、あらゆる手段を講じること。また、状況に応じ、警察、消防、自治体等の関係機関に支援を要請すること。さらに、乗客に対し復旧の見通し等について適切な情報提供に努めること。
2.乗客の救出において、迅速に代替輸送手段が確保できるよう、あらかじめバスの手配や除雪作業等について取り決めておく等、バス事業者や関係機関等との協力体制を支給整備すること。
3.大雪に備えた事前の準備として、状況に応じて迅速な除雪が行えるよう、除雪車の出動準備、除雪体制の確認を行うこと。
4.除積雪の状況等に応じ、適切に除雪を行うとともに、列車が駅間に停止することのないよう、必要な場合には列車の運転を見合わせる等の適切な措置をとること。
【全国の鉄軌道事業者に対する指示内容】
JR東日本から報告された検証結果の内容について、社内に周知し、各社の立場で検証等を行ったうえで、前記1~4について必要な措置を講ずること。