総務省は、毎月公表している家計調査、消費者物価指数と労働力調査について、利用者にとって今まで以上に役立つものとするため、平成30年1月分から見直しを行うことを発表した。家計調査の見直しでは、家計消費統計を一括公表する。これにより、消費動向の総合的な分析が可能になるという。また、公表を1週間早めることで、消費者物価指数について実態をより的確に反映するほか、未活用労働に関する指標を新たに作る。
家計調査の見直しでは、調査で使用する家計簿を一新し、電子マネーといった多様化する決済方法に対応する方式に全面的に改正するほか、レシートの読取機能を備えたオンライン家計簿を順次導入する。
また、近年ますます増加している単身世帯の消費を含め、世帯全体の消費動向と経済全体の消費変動を包括的に捉える消費動向指数(CTI)という月次消費指標を新たに作成する。このCTIを、調査月の翌々月上旬に、家計調査結果の他関連する家計消費統計と同時・一体的に公表する(家計調査結果(2人以上の世帯)は現在の公表日から1週間後の公表となる)。
消費者物価指数については、近年の急速な普及状況を踏まえ、「格安スマホ通信料」、「SIMフリー端末」と「加熱式たばこ」の価格変化を消費者物価指数に反映する。
また、消費者物価指数(全国)の公表日を見直し、翌月の19日を含む週の金曜日に1週間早める(東京都区部(中旬速報値)の公表は、現行と同じく当月の26日を含む州の金曜日)。
労働力調査においては、雇用情勢をより多角的に把握するため、現在公表している完全失業率に加え、複数の未活用労働に関する指標(「仕事につくことを希望しているが、今は仕事を探していない人など)を新たに作成し、四半期ごとに公表する。なお、毎月の労働力調査結果の公表日に変更はない。