厚生労働省は1日、インフルエンザが全国的な流行期に入ったと発表した。11月20日から26日にかけて、およそ5000ヵ所ある定点医療機関を1ヵ所当たり平均1.47人の患者が受診したと報告。例年よりもやや早く、流行の目安である1人を上回っている。
厚労省によれば、期間中に報告された患者数は7280人。これを元にした推計では、全国の患者が約7万人と、前週の約4万人から約3万人増えていた。年齢別では、5歳から9歳が約2万人で、0歳から4歳、10歳から14歳、30代、40代がそれぞれ約1万人だった。
都道府県別では、沖縄県の4.88人が最多で、長崎県の4.47人、愛媛県の3.39人、宮崎県の3.20人、石川県の3.08人などとなっており、前週からは全ての都道府県で患者数が増加していた。
入院患者は94例で、前週の60例から34件増加。年齢別では80歳以上の33例が最も多く、1歳から9歳の30例、70代の14例が続いた。
また、インフルエンザによって休校になったのは5施設、学年閉鎖は29施設、学級閉鎖は118施設だった。内訳は、保育所が1ヵ所、幼稚園が19ヵ所、小学校が115校、中学校が12校、高等学校が2校で、その他が3ヵ所となっている。
■ 咳エチケットや予防接種を
直近5週間のウイルス検出状況をみると、2009年に流行した「新型インフルエンザ」が多く、次いでA香港型とB型が同程度だった。厚労省は春までのシーズン中にいずれも流行の可能性があると指摘。流行しやすい年齢は、種類によって多少異なるものの、今年も全年齢層で感染に注意する必要があるとした。そのうえで、同省は「咳エチケット(※)」や予防接種などの対策を取るよう、国民に周知している。
※ 咳エチケット
・咳・くしゃみが出たら、他の人にうつさないためにマスクを着用する。
・鼻汁・痰などを含んだティッシュはすぐゴミ箱に捨て、手のひらで咳やくしゃみを受け止めた時はすぐに手を洗う。咳をしている人にマスクの着用をお願いする。