2017年11月8日 未来館で「ビューティフルライス」展 1000年〝おいしく食べるためのアイデア探る〟

日本科学未来館(未来館、毛利衛館長)は、11月11日から年明け1月8日まで、特別展示『ビューティフル・ライス~1000年おいしく食べられますように』を開催する。日本科学未来館を会場にアジアで初めて開催する世界科学館サミット2017(SCWS2017:11月15日~17日)にあわせて企画したもの。アジア各地の農村で、数千年にわたって続いてきた伝統的な米作りを科学の視点で読み解きながら、これからの1000年も「おいしく食べる」ためのアイデアを探る。

同展の特色は、アジアの農村で受け継がれてきた米作りの背後に、周囲の自然とつながる見事な物質循環システムが成立していたことを浮き彫りにした点で、中心となる展示は、伝統的な農村の様子を表現した大型模型。

「山から田んぼに水を引きこむ」「レンゲを育てて土に混ぜる」など、米作りをめぐる人々の営みを立体的なイラストで紹介。同時に、一つ一つの営みの背後にある物質の流れを、科学の目で解き明かす。田の守り神などアジア地域の民俗資料をはじめ、各地の多様な食卓の風景なども見どころです。そしてこの循環型の米作りをヒントに、未来に続く〝おいしい〟のために科学技術をどのように使うべきかを考える。同展の概要は次のとおり。

 

1.「1000年おいしい」の秘密

直径4.5メートルの円形模型

アジアの農村での伝統的な米作りの様子を、直径4.5メートルの円形模型で表現する。農作業だけでなく料理や祭りなど、稲作に関係の深い生活や文化を、映像や民俗資料を交えた豊富なイラストで展示。同時に、その背後にある物質循環を「もらう」「つくる」「たべる」「かえす」という四つのプロセスで整理し、科学の視点でひも解く。何千年も続く田んぼの物質循環を1000年おいしく食べ続けるためのヒントとして捉え直します。

 

2.「1000年おいしい」の危機
近代の農業は、化学肥料の活用や大規模化などにより高い生産性を実現した反面、化石燃料への強い依存や、田んぼの生物多様性の低下など、課題も生まれています。稲作をはじめとした21世紀の農業に共通した現状を、パネル展示で紹介する。

 

3.次の「1000年おいしい」のために
次世代へつなぐ「持続可能な食糧生産」の方向性を探る。「地球」と「人類」が共生しながら「食べる」という営みを続けていくためには何が必要か?。汚泥の堆肥化や高度なITを活かしたスマート農業など、ブレイクスルーとなり得るアイデアを、パネル展示で紹介する。

 

4.あなたはどのお米を選びますか?
〝1000年おいしい〟を実現する方法を、参加者一人ひとりが考えるコーナー。「火星で作った米」「1000年前の方法で作った米」など、環境負荷や収穫量などの点で一長一短ある架空のお米を選ぶ体験を通して、ベストの解を見つける難しさを体感する。


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