総務省はこのほど、電気通信事業法に基づく消費者保護ルールの実施状況について調査するため、「消費者保護ルールの実施状況モニタリング平成29年度調査計画」を公表した。調査計画は、消費者保護ルールの実施状況モニタリングでの調査等の方法の方針を示すため、「電気通信事業の利用者保護規律に関する監督の基本方針」に基づき、調査の全般的な観点、調査の手法や対象となるサービス種類・電気通信事業者と調査実施概要等を定めたもの。同省では今後、計画に基づき定期調査や苦情等分析を実施していく方針だ。
調査の全般的な観点として、消費者保護ルールの実施状況に関し、①事業者における法令の順守状況について(28年度消費者保護ルール実施状況のモニタリング評価・総括も踏まえる)、②優良事例について、③事業者の運用方法における、改善されるべき点について、④制度面での見直されるべき点について等の検証に役立てるため、一定のサービス種類・電気通信事業者を対象に、利用者への説明・応対の実施状況等の調査を行うこととしている。
また、調査の手法については、販売現場に対するいわゆる覆面調査(以下「実地調査」)、対象サービスを新規契約した一般利用者に対するアンケート(以下「利用者アンケート」)、電気通信事業者、または販売現場(代理店)等に対するヒアリング、関係資料の確認(以下「ヒアリング等調査」)、苦情等傾向分析などをあげている。
調査のスケジュールについては、今後速やかに調査に着手し、今年12月~来年1月を目途に中間報告を行った後、さらに調査を実施し、来年夏ごろに結果を取りまとめる。
調査対象となる電気通信サービス
今年度の調査対象となる電気通信サービスの種類については、説明義務、書面交付義務等の消費者保護ルールの対象として指定されているサービスのうち、苦情相談の発生状況や一般消費者への普及状況を踏まえて、MNOサービス(対象事業者3社)、MVNOサービス(11社程度)とFTTHサービス(実地調査利用者アンケート:7社程度、ヒアリング等調査:18社程度)としている。
苦情等傾向分析においては、主に今年4月から来年3月までの期間に受け付ける苦情相談について分析を行うこととし、今年12月~来年1月目途の中間報告時には、中間結果を報告する。
分類・整理等に当たっては、総務省や全国の消費者センター等で受け付けた電気通信サービスに係る苦情相談の総件数を把握。その内容の記録を無作為抽出した上で、総務省で設定した独自の分類項目により分類・整理する。
分類項目としては、サービス種類、発生チャネル(苦情相談の要因となった販路または応対場所等)、事業者名、相談者(契約者)の属性(年代等)、発生要因、苦情相談の項目・観点、要望内容、発生時期をあげている。
さらに、引き続き、業界団体にも分類を依頼し、その結果をモニタリング定期会合での検討に役立てる。