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千代田区は今月から、運転免許証を自主返納した７０歳以上の区民へＩＣカード乗車券を交付する事業を始めた。免許証を自発的に返納してもらう呼び水とし、高齢ドライバーによる事故の防止に結びつけていくとともに、公共交通機関の利用を促す狙いがある。
今年４月以降にすべての運転免許証を返した人が対象。申請は１人１回で、返納後１年以内が期限だという。警察署などにある書類に必要事項を記入し、区の窓口へ持っていく（郵送も可）と申請できる。交付されるのは、デポジットもあわせて５５００円がチャージされたＳｕｉｃａかＰＡＳＭＯ。２３区内ではすでに、杉並区が７５歳以上の区民へ５０００円がチャージされたＳｕｉｃａなどを渡す取り組みを行っていた。
千代田区内で運転免許証を持っている７０歳以上の高齢者は推計で約２０００人。自主返納をする人は平均でひと月１０人程度だという。千代田区の担当者は、「運転に不安を感じている高齢者が免許証を返納するきっかけになれば」と話している。
■ 高齢者限定免許の検討を開始
警察庁は２日に行った「高齢者の特性等に応じたきめ細かな対策の強化に向けた運転免許制度の在り方等に関する調査研究」分科会で、高齢者を対象とする限定免許の是非をめぐる検討を開始した。メンバーは、法律関係や自動車工学の専門家、自動車教習所の関係者など有識者で構成。
会合では、「年間の８０歳以上の高齢運転者による交通事故死者数を２００人以下にする」という政府目標を達成するために、まず、８０歳以上の高齢運転者に重点を置いた施策を考えることを確認。
自動ブレーキなど安全装置を搭載した車種のみを認めたり、一部の道路・時間帯だけに制限したりする案が提示されている。今後、すでに限定免許を導入している諸外国の例も参考に課題を検証していく。このほか、運転のリスクが高い人への実車試験の導入や、代替交通手段を確保する方策などについても協議していく方針だ。
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