2017年6月9日 出生数、初の100万人割れ 出生率は2年ぶりに低下、人口の自然減は過去最大

厚生労働省は2日、2016年の人口動態統計(概数)を公表した。その年に生まれた赤ちゃんの数を示す「出生数」は、前年より2万8698人少ない97万6979人。1899年に統計を開始して以来、初めて100万人を割り込んでいる。

出生数の年次推移をみると、1949年の269万6638人をピークに、1975年以降は、減少と増加を繰り返しながら減少傾向が続いていた。母親の年齢が40歳以上の出生数は約5万5000人で、そのうち第1子は約2万1000人と、40歳以上の出生に占める第1子の割合は38.5%になっている。

1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す「合計特殊出生率」は1.44。前年より0.01ポイント低く、2年ぶりの下落となっている。年代別にみると、最も出生率の高い30代前半が11年ぶりに低下に転じていた。30代後半から40代前半は上昇しており、晩産化の傾向が続いていることがうかがえる。都道府県別では、沖縄県(1.95)、島根県(1.75)、長崎県と宮崎県(ともに1.71)、鹿児島県(1.68)が高く、逆に東京都(1.24)、北海道(1.29)、宮城県と京都府(ともに1.34)、千葉県(1.35)が低くなっている。

「死亡数」は130万7765人。7年連続で戦後最多を更新した。死亡数から出生数を引いた人口の「自然減」は33万786人で、今までで最も大きな減少幅を記録している。死因は「がん」が28.5%で最も多く、「心疾患」(15.1%)「肺炎」(9.1%)がそれに続いた。死産数は前年より1679胎少ない2万938胎だった。死産率は21.0で前年より1.0ポイント低下、このうち自然死産率は10.1、人口死産率は10.9とともに前年から0.5ポイント低下していた。

このほか、62万523組だった婚姻件数が4年連続で戦後最少を更新している。初婚時の平均年齢は、男性が31.1歳、女性が29.4歳。どちらも3年連続で変わっていない。

また、第1子を出産した時の母親の平均年齢は、前年と同じ30.7歳だった。離婚件数は21万6805組で、前年から9410組減少した。

出生数と合計特殊出生率の年次推移(厚労省資料より抜粋)


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