2017年6月7日 未来館、常設展に新展示をオープン 機械人間「オルタ」や金星探査機「あかつき」など

日本科学未来館(略称:未来館、毛利 衛館長)は6月22日、常設展に四つの新展示をオープンする。テーマは、IoT(モノのインターネット)、機械人間、ヘルスイノベーション、金星探査。数年後の実現に向けて開発中の技術や、新たな視点をもたらす最先端の科学を紹介することで、一人ひとりが今を知り、未来の社会づくりに参加できる場をつくる。夏休みを控えた子どもから知的な刺激を得たい大人まで、幅広い層が楽しむことができる。

新たに設けられる展示は、

1.インターネット物理モデル2017
2.機械人間「オルタ」
3.〈メディアラボ〉第18期「アクティブでいこう! ものぐさ→アスリート化計画」
4.〈フロンティアラボ〉金星探査機「あかつきの挑戦」(「太陽系に挑む」コーナー)

 このうち、機械人間「オルタ」は、常設展示「アンドロイド―人間って、なんだ?」に新たに加わる。機械がむき出しの見た目だが、複雑な動きにより〝生命らしさ〟を表現している「オルタ」=写真=。東京大学大学院総合文化研究科の池上高志教授と、人間そっくりなアンドロイドの開発で知られる大阪大大学院基礎工学研究科の石黒浩教授隣らが開発した。

隣に並ぶ人間そっくりなアンドロイド「オトナロイド」と比較することで、より多様な視点から「人間らしさ・生命らしさとは何か?」という哲学的な問いを深める。

「オルタ」は、生命らしさを〝人間の想像力によって見出されるもの〟と考える石黒研究室と、〝基本原理から立ち現れるもの〟と考える池上研究室の協業で生まれた。複雑な動きは、神経の活動をまねたプログラム(ニューラルネットワーク)によってつくられ、周囲の人の反応も反映している。「オルタ」は、来館者の反応から生命らしい動きを「学習」できるのか。研究者の実験も兼ねて展示する。

 

肌着にセンサー内蔵『心衣』も展示

「インターネット物理モデル2017」は、2001年の開館当初からある人気の展示を、IoTをはじめとするさまざまな機器をつなぐようになった今日のインターネットの状況を反映し、リニューアルした。人と情報だけでなく、モノや環境、サービスをも相互につなぎ、変化の激しい人間社会を支える基盤であり続けるインターネットを、未来をつくる技術としてとらえ直す。

音も動きもデジタル変換する「データ作成器」「復元器」を展示するともに、0と1という目に見えない信号が、それぞれに自律した機能が協調して送り届けるようすを視覚化。実際のIPネットワークの動作をより忠実に表現している。

金星探査機「あかつき」の挑戦コーナーでは、一昨年12月、打ち上げから5年後の軌道投入再挑戦に成功し、日本初の惑星周回衛星となった「あかつき」の模型や実際に搭載されている機器の同等品、最新の研究成果などを通して金星の謎に迫る。

「ものぐさ→アスリート化計画」は、肌着にさまざまなセンサーを組み込み、身体情報データを取得する『心衣(こころも)』(仮)をはじめ、超音波スピーカーを応用し、音が聞こえるエリアを自由に設定することができるなど、〝ものぐさ〟から〝アスリート〟になるためのテクノロジーなどを紹介する。

運動が健康に良い、と頭ではわかっていても、人々は「時間がない」「きっかけがない」と言い訳ばかりして、運動不足に陥りがち。ならば、日々の暮らしのなかに自然と運動が始めたくなるようなテクノロジーを仕組めばいい、ということで、誰もがアクティブなアスリートとなれる『運動の生活カルチャー化』が実現した未来の社会像を提案する。


株式会社官庁通信社
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町2-13-14
--総務部--TEL 03-3251-5751 FAX 03-3251-5753
--編集部--TEL 03-3251-5755 FAX 03-3251-5754

Copyright 株式会社官庁通信社 All Rights Reserved.