東京大学は、大学院法学政治学研究科附属近代日本法政史料センター明治新聞雑誌文庫(明治文庫)が所蔵するコレクションをデザインに活かし、明治文庫シリーズとして、「レターセット」「超撥水風呂敷」「インテリアうちわ」の3点を、4月7日発売開始した。東大では、「キャンパス来訪の記念品として、また大切な方への贈答品として、日本近代の時代・社会の雰囲気を伝えるラインナップをぜひご利用ください」と購入などを呼び掛けている。
明治文庫は、昭和2年に東京帝国大学法学部附属施設として開設。「新聞保存」を掲げた本邦初の施設で、明治期から昭和戦前期にかけての新聞・雑誌、錦絵等関係資料を所蔵・公開しており、国内外における多方面の研究活動や歴史編纂事業等に役立てられている。明治・大正期に国内で刊行された新聞・雑誌コレクションとしては世界最大級とされ、そのコレクションは今も増え続けている。この雑貨シリーズの売上の一部は、所蔵資料の保存・修復など、明治文庫の維持発展のために活用する。
明治文庫シリーズ商品ラインナップは
①蛇腹便箋レターセット×明治新聞雑誌文庫(新聞等の題字)
②超撥水風呂敷×明治新聞雑誌文庫(新聞等の題字)
③インテリアうちわ×明治新聞雑誌文庫(錦絵、新聞記事) の3点。
蛇腹便箋レターセットと超撥水風呂敷に採用している新聞の題字は、ジャーナリスト宮武外骨(後の明治文庫初代事務主任)が発行し人気となった「滑稽新聞」、西園寺公望が社主、中江兆民が主筆の「東洋自由新聞」、また「官板海外新聞」「日新眞事誌」「朝野新聞」「The Japan punch」などは当時を知る上で重要な資料。これら明治文庫の代表的な新聞や貴重な新聞等の題字を集め、活字の大平原のようなレターセット、風呂敷を作り上げた。
また、インテリアうちわには、錦絵と新聞記事をデザインに採用している。錦絵は明治憲法の発布(明治22年2月11日)を祝う上野での催しを描いた東洲勝月の作品「憲法発布上野賑」。欽定憲法に公に異を唱えるのは難しく、そもそも多くの日本人は、この絵と同様に憲法を歓迎していた。しかし民権派は、憲法の運用をめぐる議論を直ちに開始した。
新聞記事は、立憲改進党の論客、尾崎行雄の書簡であり、朝野(ちょうや)新聞が明治22年2月27日から3月5日にわたって連載した第一回のもの。過去の新聞や雑誌を読むと、歴史が決まった政策の連続ではなく、さまざまな意見や選択肢に溢れていることを実感できる。
価格はレターセットが便箋(オリジナルデザイン)90枚、封筒(無地)10枚入りで980円、風呂敷が3500円、インテリアうちわが2700円で、いずれも税込。東大本郷キャンパス赤門北隣の東大コミュニティセンターなどでの販売とともに、オンラインショップ(https://shop.utcc.pr.u-tokyo.ac.jp/)でも購入可。