来年春卒業する大学生(現3年生)の就職内定率は、2月1日現在で39.3%で、前年同月と比べて15.4ポイント高かったことが、リクルート就職みらい研究所が行った調査で明らかとなった。2月調査としては、現在の就職活動スケジュールとなった2017年以降、前年に引き続き過去最高を記録した。また、約8割の学生が選考を経験しており、約半数が最終選考を受けたことがあるという現状が分かった。一方で、採用活動の早期化に対して困惑する声も多く聞かれており、政府が定める就職・採用活動のルールと実態の乖離が大きい実態が浮き彫りとなった。
2月1日時点の大学生(大学院生除く)の就職内定率は、39.3%(前年同月比15.4ポイント)、現在の就職活動スケジュールとなった2017年卒以降、前年に引き続き過去最高となった。内定率を文理別でみると、「文系」37.1%(12.5ポイントアップ)、「理系」44.3%(21.8ポイントアップ)と、理系の方がやや高かった。
地域別では、「関東」44.6%(19.7ポイント増)、「中部」40.9%、「近畿」29.8%、「その他地域」38.8%で、それぞれ12.9ポイント、4.7ポイント、21.0ポイント増加した。
学生に面接選考への参加状況を聞くと、全体では「最終選考を受けたことがある」の割合が48.1%、「最終選考は受けたことがないが、面接選考は受けたことがある」の割合が27.9%と、約8割の学生が選考を経験していることが分かった。
1月末までの各活動実施状況を複数回答可で聞いたところ、最も多かったのが「就職に関する情報を収集した」で85.9%が回答。「エントリーシートなどの書類を提出した」「適性検査や筆記試験を受けた」「自己分析した」もそれぞれ76.0%、69.8%、62.1%と多かった。
また、Web上での面接を受けたのは58.0%、面接など対面での選考を受けたのは51.5%。特に対面選考は、前年同月比12.0ポイントアップと、大きく増えた。
さらに、57.0%がインターンシップ等のキャリア形成支援プログラムに、49.1%が大学で開催される就職ガイダンスにそれぞれ参加。大学以外で開催される合同説明会・セミナーには、44.9%が参加した。
□十分な準備の時間を確保できないまま選考受けるケースも
学生からは、「早期化していることで、早くに進路が決まり安心できるのでうれしい」といった声もある一方で、「早期化が進み過ぎていて、大学生の本分である勉強をおろそかにせざるを得ない場面が多々あると感じている」「準備不足であり、選考までに間に合うか非常に不安である」「採用活動の解禁といわれている時期と実際の採用活動のスケジュールにギャップを感じている」といった採用活動の早期化に対して困惑する声も多く聞かれた。
調査結果や学生の声を踏まえて、リクルート就職みらい研究所では「現行の政府が定める就職・採用活動の日程と実態の乖離が大きい状況ですが、周囲の状況に左右されることなく、納得感のある企業選びを進めていただければと思います」としている。